卵の消費拡大に向けて広がる『イースター』の取り組み 鶏卵パックやラベルでPR
卵の消費拡大につなげようと、キユーピー(株)(本社・東京)が昨年から提案している新しい春のイベント『春を祝おう!イースター』が、今年は鶏卵業界各社の間でも広がりをみせている。
イースターは、春の訪れを祝うキリスト教の祝祭日。日付は「春分の後の最初の満月の次の日曜日」のため毎年異なり、今年は3月31日。西欧では“生命や復活の象徴”として、卵の殻にカラフルな装飾やペイントを施した「イースターエッグ」を贈り合ったり、庭に隠したイースターエッグを子供が「エッグハント」する習慣などがある。
昨年はパン、総菜店を中心に3800店舗が、キユーピーが提供するイースターのロゴや、卵を使った料理のレシピなどを活用してイースターを盛り上げ、販売増につながった例も多かったとか。
今年は鶏卵業界各社の協力も始まり、日本モウルド工業(株)(本社・愛知県安城市)は、イースターのロゴをあしらったモウルドパックを作製。同パックは全国の養鶏場や鶏卵GPセンターを通じて、直売所や量販店の店頭に並ぶ予定だ。
ゴールドエッグ(株)(本社・大阪府吹田市)は、鶏卵の上貼りラベルにイースターのロゴを入れるほか、販売先のスーパーの店頭でも、POPなどを活用してイースターのイベントを盛り上げる。
昭和鶏卵(株)(本社・埼玉県三芳町)は、自社のパック卵のインパックラベル裏面に、イースターのロゴを掲載。
(株)シマダエッグ(本社・千葉市)も、イースターを紹介するラベルを鶏卵パックに貼り、卵の消費拡大をPRする。
「ヨード卵・光」を使ったオムレツレストランを展開する(株)ラケルは、店内をイースターの風船や卓上POP、レジに付けるスイングPOPなどで賑やかに飾り付ける。
イースターの普及拡大を担当しているキユーピーの若松美幸さん(フードサービス本部企画チーム)は「イースターを、秋のハロウィンに次ぐような大きなイベントとして定着させたいと考えている。アンケートによるイースターの認知度は、東京ディズニーランドがイベントを開始した2010年春時点で約30%だったが、今年は全国1万店舗でのイースターのPRと認知度60%の達成、2020年には、認知度80%と卵の年間使用量1%アップ、社会全体への経済効果1兆円を目指している」と語る。
イースターのロゴ入りのモウルドパックを作製した経緯について日本モウルド工業の石原雄大取締役管理本部部長は「今年は景気回復の兆しはあるものの、卵価は低迷し、飼料と電力の価格は上がるとされている。明るい話題が非常に少ない中、イースターで春を明るく祝い、卵の消費拡大にもつなげたいとのキユーピーさんの趣旨に賛同し、作製させていただいた。このような活動が、鶏卵消費の拡大と業界の盛り上げに少しでもつながれば」と話している。
イースターには、このほかイセ食品グループも独自に取り組んでいる。
【日本モウルド工業がキユーピーとコラボして作製したモウルドパック】