約50億円の純損計上 カルメイン社四半期決算
ケージフリー卵増産と低卵価で
全米最大の鶏卵企業、カルメイン・フーズ(ドルフ・ベーカー社長―本社・ミシシッピ州ジャクソン、昨年末の採卵鶏飼養羽数4025万羽)は9月30日、8月末までの2020年度四半期決算を発表した。
正味売上高は前年同期比29%減の2億4120万ドル(1ドル=110円換算で約265億3200万円)、純損失は4580万ドル(約50億3800万円、前年同期は1240万ドルの純利益)を計上した。
販売先の多くのスーパーや外食が、2025年前後までに「調達する卵を100%ケージフリー卵に移行する」と宣言していることに対応した、生産設備への投資に伴う供給過剰などを背景に、鶏卵相場が原価割れの水準に低迷していることに加えて、古い農場の閉鎖を進めていることなどが影響している。米国農務省(USDA)統計によるラージサイズ1ダース当たりの指標は4月以降、おおむね50セントを下回る水準で推移。10月8日現在のアーナーバリー指標もわずか40セントに低迷している。
決算についてベーカー社長は「第1四半期の決算は、今夏の非常に厳しい市場環境を反映している。販売数量は1.7%増加したが、鶏卵価格の極端な低落が響いた。同期の南東部ラージサイズ一般卵平均市場価格は前年同期比で41%も下落し、カルメインの平均販売価格も30%下がった。この低卵価は、昨年初から続く生産過剰によるもので、農務省統計による9月1日現在の採卵鶏飼養羽数は、前年同日より80万羽多い3億3140万羽まで増えている」「我々は引き続き求められる製品群を供給していく。カリフォルニア州その他の動向により、ケージフリー卵の需要増を予想している。今期は設備投資計画が非常に進み、以前述べた通りフロリダ、テキサス、ユタの各州で建設が進んでいる」などとコメントしている。