吉野家が「焦がしねぎ焼き鳥丼」発売 外食筋での卵不足も新企画で需要喚起へ
㈱吉野家(河村泰貴社長―本社・東京都中央区)は、より多くの人が気兼ねなく外食できる〝アフターコロナ〟の需要獲得に向け、新メニュー開発や販促キャンペーンを実施している。
本来は、1食につき国産鶏卵を2個使う「親子丼」の復活で消費喚起を図りたかったが、国内約1200店を構える経営規模と、これに対する昨今の卵不足を受け計画を変更。まずは同社がもつ輸入鶏肉を生かすことができ、焼き鳥の中でも人気の「ねぎま」からヒントを得た『焦がしねぎ焼き鳥丼』(税込み547円/大盛同734円)を4月17日に発売した。
各店舗には、セントラルキッチンでほぼ均等に切られた鶏もも肉と長ネギが届けられ、顧客の注文ごとにニンニクしょうゆダレをからめて焼き上げる。メニュー開発リーダーの千葉祐二氏は「店の混み具合にもよるが、1分半前後で提供できるオペレーションを組めている。具材の大きさからタレのおいしさまで全国で統一されている自信作。鶏肉、ネギ、ニンニクのちょうど良いバランスを味わってほしい」と話す。7月中旬まで販売の予定。
また4月21日から5月7日にかけて、小学生以下の食事を1人当たり80円引きする『お子様割』を実施。家族でも吉野家を利用してほしいとの姿勢を押し出す。
その後は5月8日から同31日までの『から揚げ祭』に移り、から揚げを調理・販売できる約770店舗でから揚げ丼、から揚げ定食、から揚げスパイシーカレーなどを定価の10%引きで販売。
経営企画室長の廣岡恵次氏は、店内飲食の利用率が段階的に戻っているとし「コロナ禍中は店内飲食5割だったが、いまは店内が7割。国内外の産地動向など大変さはあるが、外食を楽しんでもらえるようにしたい」と話している。
現在、吉野家の玉子(生卵単品)は税込み85円。半熟玉子は同96円。ねぎ玉子は同140円。当面は業務・外食筋への供給回復が見込めないことから、値上げを検討せざるを得ない状況という。