アニマルウェルフェアをテーマに講演会 ゲン・コーポレーション第24回孵化場経営懇話会
バイオセキュリティの強化も
㈱ゲン・コーポレーション(渡邉周治社長―本社・岐阜市折立296-1)は7月21日、オンライン形式で第24回孵化場経営懇話会を開き、契約孵化場の代表者らが参加した。
主催者を代表してあいさつした同社の渡邉周治社長は「昨年11月に、2年10か月ぶりに発生した高病原性鳥インフルエンザは18県52事例に及び、採卵鶏は約900万羽が残念ながら淘汰された。この被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げる。依然、コロナ禍による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が各地で続いている状況下で、業務・加工用の卵の需要は高まってこないが、鳥インフルによる卵の減産によって卵価は例年より高値で推移している。ただ同時に飼料価格が高騰しているため、やむを得ずひな価格の値上げをお願いしている話も聞いている。この急場をしのぐためにも、値上げを認めてほしいと思う。
コロナ禍の対策でワクチン接種が進んでいるが、ワクチンの手当てが間に合わず、接種計画に遅れが生じている。さらに変異株への対応として3回目のワクチン接種を目途に、来年早々に5000万回分のワクチンを手配できたというニュースも流れている。
本日は東京オリンピック開会式に先駆けて、無観客ではあるが女子ソフトボールの試合が行なわれ、日本は強豪オーストラリアに8対1で勝利したが、全力で応援できないもどかしさを感じる。
本日の演題は、アニマルウェルフェア(AW)と鳥インフルエンザ対策に関する情報提供である。日本種鶏孵卵協会では都丸会長が積極的に会を引っ張り、業界でクリアすべきAWや鳥インフルエンザに関する小委員会を立ち上げて、会員の意見を聞きながら困りごとを前向きに解決しようと努力している。わが社も同じ考え方で、本日は外部の2人とわが社の清水から業界関係情報を提供する。皆様の経営の一助になることを期待している」などと述べた。
(公社)畜産技術協会の八木淳公事務局長兼技術普及部長は「アニマルウェルフェアの実践と今後の対応について」と題し、OIE総会で採択されなかったAWと採卵鶏の生産システム(採卵鶏AW基準案)の内容と、現場でのチェックリストを活用したAWに対応した飼育管理の実践について紹介した。
ゲン・コーポレーションの清水章弘営業技術部門長は「アニマルウェルフェアへの対応と課題」と題し、レイヤー孵化場で課題となっているオスひなの処理方法と、卵内鑑別の技術的な進ちょく状況について説明した。
東京農工大学大学院農学研究院動物生命科学部門獣医衛生学研究室の竹原一明教授は「高病原性鳥インフルエンザ対策としてのバイオセキュリティ強化」と題し、消毒剤の効果的な使用方法について紹介した。
このほか、令和2年度シーズンに発生した高病原性鳥インフルエンザの被害状況や経験などについて情報を共有した。
※講演要旨については本紙をお読みください