畜舎の熱環境見守りサービス「サーモニ」を開発 ライブストックジャパン
家畜の快適性向上、生産性の向上に貢献
北里大学発ベンチャーのライブストックジャパン合同会社(鍋西久CEO―本社・青森県十和田市)は、家畜の生産性に影響する畜舎の熱環境をリアルタイムで遠隔モニタリングでき、暑熱・寒冷ストレスのリスクを把握できるシステム「サーモニ」を開発し、サービスを開始する。
「サーモニ」は、環境センサー端末のみで畜舎環境(温度、湿度)を遠隔モニタリングでき、家畜に対する独自の熱環境指標(ストレス度合い)として可視化し、畜産農家に提供する。
このサービスにより、畜産農家では、家畜に対する暑熱・寒冷ストレスのリスクをスマートフォンでいつでも把握できるようになり、適切に対策することによって、暑熱・寒冷の影響による生産性の低下を軽減できるようになる。
さらに、気候関連の危険や自然災害に対応できるレジリエンス構築の実現を目指している持続可能な開発目標(SDGs)の達成と、家畜の快適性に配慮した飼養管理を目指すアニマルウェルフェアの実践にも寄与するとしている。
サービスの内容は次の通り。
①畜舎環境遠隔モニタリングシステムの運用=環境センサー端末のみでクラウドへデータを送信できるシステムを導入することで、面倒な作業や設定がいらない仕組みにより、リアルタイムで畜舎内環境(温度、湿度)を取得する。
②独自開発の熱環境指標の提供=環境センサーで得られた温度と湿度から温湿度指数(THI)を算出し、各畜種に応じた独自の熱環境指標(ストレス度合い)を可視化して農家に提供する(専用ウェブサイト)。
③生産履歴の入力=専用のウェブサイトでは、生産履歴データ(乳量、産卵数、発育など)を入力可能。
④データ解析、オーダーメード環境指標の提供=蓄積された種々のデータを解析し、各農場に応じたオーダーメードの畜舎環境指標を設定、農家にフィードバックする(オプション)。
同システムは、京セラコミュニケーションシステム㈱が運用するSigfoxネットワークと、マスプロ電工社製センサーを採用しており、Sigfox通信エリア内にで利用できる(通信エリアの確認=https://www.kccs-iot.jp/area/)。エリア圏外の場合は、基地局のレンタルサービスも提供している。
「サーモニ」の利用料金は、センサーが1台4万5000円(税別、初年度の利用料を含む)、サービス利用料が年間1万2000円(税別、2年目以降のセンサー1台当たり)。
問い合わせは同社(電090-3367-2525、Eメール=livestock@ozzio.jp、ホームページ=https://livestockjapan.com/)へ。