配合飼料価格 10~12月期は据え置き
JA全農は9月24日、10~12月期の配合飼料価格(全国全畜種総平均)について、前期(7~9月期)の価格を据え置くと発表した。主原料の大豆粕は値下がりした一方で、トウモロコシは値上がりしたが、原料コストの上昇が小幅であるため、前期の価格を据え置いたもの。25日に商系の日清丸紅飼料、中部飼料、30日に清水港飼料、10月1日にフィード・ワンも据え置きを発表した。
全農が発表した飼料情勢の概要は次の通り。
▽飼料穀物=トウモロコシのシカゴ定期は、5月下旬には360セント/ブッシェル前後で推移していたが、6月に入り産地で雨が続き、土壌水分過剰による生産量減少が懸念されたため急騰し、6月30日に米国農務省が発表した全米四半期在庫、作付面積がいずれも事前予想を下回ったことから上昇が続き、一時440セント/ブッシェル台まで値上がりした。その後、受粉に適した天候となり作柄が改善するとの見込みから下落に転じ、現在は380セント/ブッシェル台で推移している。今後は、史上3番目の豊作が予想されているものの、6月以降の降雨による生産量減少懸念が完全には払拭されていないこと、米国内需要が過去最高水準にあることなどから、相場は底堅く推移するものと見込まれる。
▽大豆粕=大豆粕のシカゴ定期は、5月中旬以降には330ドル/トン台で推移していたが、6月に入り産地で雨が続き、土壌水分過剰による作柄悪化が懸念されたことから急騰し、一時400ドル/トンを上回る水準まで値上がりした。その後、天候の回復により作柄が改善するとの見込みから下落に転じ、8月12日に発表した米国農務省の需給見通しでは、史上最高の豊作であった昨年に近い生産量が見通されたことなどから、現在は340ドル/トン台で推移している。国内大豆粕価格は、シカゴ定期は上昇しているものの、中国の大豆粕需要が減退し、輸入大豆粕価格が下落していることから、値下がりが見込まれる。
▽海上運賃=米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、5月下旬には32ドル/トン台で推移していたが、6月に入り、中国による南米産大豆の大量買い付けにより、輸送需要が増加したことから上昇に転じ、一時38ドル/トン台まで値上がりした。その後、中国の買い付けが一段落して船腹需給が緩和したこと、燃料価格が下落したことなどから値下がりし、現在は35ドル/トン前後で推移している。今後は、燃料価格が弱含みで推移していること、中国の景気減速により輸送需要の減少が予想されることなどから、海上運賃は弱含みで推移するものと見込まれる。
▽外国為替=外国為替は、米国の利上げが9月に実施されるとの見込みから、6月上旬には一時124円を超える円安となったが、中国経済の成長鈍化の見通しや、世界的な株価の急落などによりリスク回避の動きが強まったことから円高となり、現在は120円前後で推移している。今後は、米国の利上げ時期が注目されているものの、中国経済の動向に対する不透明感などから一進一退の相場展開が見込まれる。