中国・ドイツ産家きん肉類の輸入を一時停止
各国で鳥インフルエンザ(家きんペスト)の発生が続いている。農林水産省は、中国産あひる肉からウイルスが分離されたことから、公式には鳥インフルエンザの存在を認めていない中国で「家きんペストが存在する」と判断し、5月12日付で中国からの家きん肉類の輸入を一時停止した。両国で締結した家畜衛生条件では、解除の条件に「輸出国には過去90日間以上家きんペストの発生がないこと」が盛り込まれているため、中国側が発生を認め、その上で清浄化したことを証明しなければならない。また、その確認に日本側関係者が中国を訪れることも考えられ、解除までには時間がかかるのではないかとみられている。
ドイツでもAI発生
農林水産省生産局畜産部衛生課は、5月10日にドイツからの家きん肉類の輸入を一時停止した。
これは5月9日にドイツ家畜衛生当局から、同国のノルトラインウエストファーレン州の肉用鶏農家で鳥インフルエンザを疑う疾病が発見された旨の報告があったため、同病のわが国への侵入防止に万全を期すために10日から輸入を一時停止したもの。同病によるヨーロッパからの輸入一時停止はオランダ、ベルギーに次いで3か国目。
この輸入停止措置は、家きんペストと確認された場合、ドイツにおける同病の清浄性が確認されるまでの間、継続することにしている。
EU(欧州連合)では、オランダ、ベルギーに次いでドイツでも鳥インフルエンザが発生したことから、感染拡大を防止するため発生州からの国内外への鶏肉や鶏卵の輸送を禁止したほか、人間への感染防止の措置も求めている。
わが国は、ドイツからは家きん肉関係の輸入はないが、オランダと同じく、採卵用原種鶏や種鶏を輸入しているだけに、ヨーロッパでのAI発生が長引くと、特に採卵業界で影響が出てくるのではないかと懸念されている。