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鳥インフル対策のさらなる徹底を!

2017.07.25発行
安心して経営できる保証も急務

 近年、家きん産業にとって最大の脅威であり続けているのが、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)だ。平成28年度シーズンは、関係者がこれまでの経験から取り組んできた迅速な防疫対応などにより、周囲への感染拡大はなかったものの、北海道から宮崎県までの9道県12農場で発生し、約167万羽(採卵鶏約128.5万羽、肉用鶏約29万羽、肉用種鶏約7万羽、あひる約2.3万羽)が殺処分された。
 発生要因として、野鳥などでのウイルス確認数が22都道府県、218事例と多く、多くのウイルスが環境中に存在していたと考えられることから、野生動物を介して農場や家きん舎に侵入した可能性がクローズアップされた。農林水産省の疫学調査チームが6月29日に公表した報告書によると、発生農場の周辺環境には、森林性の野鳥やネズミ、イタチなどの生息に適した、雑木林などの環境が存在したほか、発生12農場中11農場の家きん舎のすぐ近くには、カモ類などが飛来する可能性がある池、沼、川が存在し、いくつかの事例では、野生動物が家きん舎に出入りできる隙間などが確認された。ただし、人・車両・物によりウイルスが持ち込まれるリスクも依然、高いと報告書は指摘している。
 米国でも今年3月にAIが再発し、米国農務省動植物検疫局(USDA―APHIS)が6月23日に疫学調査報告書を公表した。その中では、多くの発生農場の周辺に池や小川が存在したことや、履物の交換や車両の洗浄・消毒を実施していない事例が確認されたことなどを指摘し、鶏舎周辺のげっ歯類を含む野生動物対策、鶏舎の破損や隙間の修繕、消毒などのバイオセキュリティ対策の重要性を強調している。
 さらに隣国の韓国を含め、世界各国でAIが続発している状況をみると、わが国へのウイルス侵入リスクは、今後も非常に高いと考えられる。
 農水省は6月29日付の各都道府県知事宛ての通知で、ウイルスの農場内や家きん舎内への侵入を防止するための重要ポイントとして下図を示し、報告書の提言でも、
 @鶏舎の金網や壁の破損修繕、集卵・除ふんベルトの開口部の隙間対策、家きん舎周辺の整理・整頓、樹木のせん定・草刈り、排水溝への鉄格子の設置など、野生動物対策をこれまで以上に徹底すること。
 A農場に出入りする人・車両・物への対策として、衛生管理区域の設定、入念な消毒、専用の服や靴の使用、消毒液の定期的な交換、記帳など、基本的な衛生管理を徹底すること。
 B池や水辺が周囲にある農場では、周辺にウイルスがいるかもしれないとの危機感を持って、発生予防対策を厳格に行なうこと。
 Cこれらの対策が確実に実施されているかを、今秋のシーズン前に農場で、または家畜保健衛生所などの関係機関と協力して確認すること。
 ――などを挙げている。
 鳥インフルエンザが確認されると、家きん農場は発生群を含むすべての家きんが殺処分されるため、大切な財産をすべて失うとともに、懸命に築いてきた販売先を、場合によっては完全に失うリスクに直面している。
 野鳥などへのサーベイランスの範囲を拡大し、その結果を迅速に発信することは、家きん飼養者の警戒心を喚起する上では有効だ。ただ、殺処分に対する補償が、現在のような時価評価額分(採卵鶏の全国平均で1羽約600円とされる)にとどまっているようでは、発生農場の経営再建は厳しい。農場がフル稼働に戻るまでの、せめて固定費の損失金額(採卵鶏ではトータルで1羽1500円程度といわれる)が賄える程度の補償に引き上げられることが期待されている。
 家きん飼養者だけでなく、孵化場や鶏卵GPセンター、食鳥処理場、家きん製品の流通関係者なども、AI発生時にはひな、鶏、卵の移動制限によるひな供給や鶏卵・鶏肉などの需給の混乱、さらには消費にダメージを与えるような風評被害を心配しなければならない。このため、すべての関係者の連携によって、万全な対応策を確立する必要がある。



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