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鶏鳴新聞2000号までの養鶏業界の主な動き

2017.07.25発行
 鶏鳴新聞は、昭和30(1955)年5月15日に「卵と鶏の新聞」として創刊され、今年7月5日号で2000号を迎えた。2000号までの養鶏業界の主な動きをまとめた。

昭和30年代以降 成長と調整の狭間にゆれる

 戦後の養鶏業界は、産業として発展する萌芽期ともいうべき時代にあっった。現在の主要団体の設立も、日本養鶏協会が昭和23年3月、全農の前身である全購連、全販連が同23年。全国卵業協会(同32年に日本卵業協会と改称)が同25年4月、日鶏連が同7月、日本飼料工業会が同32年4月など。農業基本法は同36年6月に施行された。
 昭和30年の鶏卵と鶏肉(成鶏肉)の年間生産額は約1000億円だったが、30年代後半から採卵用外国鶏の導入増加や、ケージ養鶏への転換が進み、鶏卵生産量は年々増加。
 成鶏肉を中心とした鶏肉生産も、昭和30年代に入って「抜き雄」から、肥育専用タイプに代わり、ブロイラーの生産が増加。鶏肉専門店を中心とする日本食鳥協会が同35年10月、全鳥連が11月に設立された。同41年には鶏肉生産量24万トンのうち、ブロイラー肉が57%と半分を超えた。
 この頃の採卵用外国鶏の性能は、育成率95%以上、生存率90%以上、ヘンハウス産卵個数240個前後、飼料要求率は2.9前後だったが、現在、最もシェアが高いと思われるジュリアの公表標準性能は、育成率97〜98%、生存率93〜96%、ピーク産卵率93〜96%、ヘンハウス産卵個数355〜365個、飼料要求率2.0〜2.1。このような育種改良の進歩と、科学的・合理的な飼料栄養や飼養管理技術、省力機器の導入などが、採卵養鶏産業の発展を支えた。
 ブロイラーも、統計が整備された同40年の出荷時平均体重が1.234キログラムであったが、その2倍を超える2.491キログラムとなったのが同62年。平成28年には2.4倍の2.966キログラムとなった。しかも40年当時の出荷日齢は70日であったが、平成28年のチャンキーブロイラーの出荷成績(平均)では、出荷日齢47.5日で出荷体重3.008キログラム、飼料要求率1.795となっている。
 商社を中心としたインテグレーションシステムなどによるブロイラー産業の急成長を背景に、同50年6月には、ローカルインテの全国ブロイラー工場会と、荷受を中心とする日本ブロイラー流通協議会、日本食鳥協会の3団体が統合で合意。同年11月の統合臨時総会で正式に、新たな「日本食鳥協会」が発足した。
 鶏卵、鶏肉の生産量が増加する一方、円滑な流通や、価格の乱高下、配合飼料価格の高騰、鶏病の発生なども問題となった。
 同36年4月に鶏卵・食鳥の取引規格が制定され、鶏卵、鶏肉の円滑な流通に資するため、その都度改正されてきた。
 卵価の下落対策として全農系(当時は全販連)の全国鶏卵価格安定基金が設立されたのは同41年8月、全鶏連系(商系)の全日本卵価安定基金が設立されたのは同44年2月。同45年8月には危機突破全国養鶏大会が開催されたほか、日本養鶏協会などを中心に卵価対策が検討され、業界だけでは対応できないとして国による生産調整指導を要請し、同47年7月に農林経済局長、農政局長、畜産局長連名の「鶏卵の生産調整通達」が出され、行政指導による鶏卵の生産調整の時代に入る。
 その後、紆余曲折はあったものの、平成16(2004)年まで羽数制限を中心とした生産調整が続いた。
 ブロイラーも、生産量の増減や輸入鶏肉の増加などを背景に、需給の不安定化が問題となり、昭和50年代に入ると日本食鳥協会でも自主的な計画生産や需給安定の取り組みが始まった。
 主原料のトウモロコシや、大豆などの穀物生産量の増減による配合飼料価格の変動幅も大きくなり、全農系の全国配合飼料供給安定基金が同43年2月、商系の全日本配合飼料価格安定基金や専門農協系の全国畜産配合飼料価格安定基金が同48年3月に設立された。
 鶏病についても、昭和40年代に入ると全国的にニューカッスル病がまん延し、同42年頃からはマレック病の発生が聞かれ、ワクチンの使用許可が業界の大きな争点になった。
 同51年1月には大規模層が日本鶏卵産業協会を設立。50年代は、鶏卵の生産調整をめぐり、業界内で議論が沸騰。国会内でも法制化をめぐる駆け引きが行なわれた。
 同56年7月には、日本養鶏協会内のレイヤー孵卵委員会とブロイラー孵卵委員会が、日本家禽産業協会を継承して日本種鶏孵卵協会が発足した。

平成の時代… 安全・安心、消費拡大へ

 昭和57年〜59年、62年〜63年の低卵価による不況から、その解決策が業界内で議論されるようになった。日本鶏卵産業協会の理論的中心で、行政にも顔が利くウチナミの内波社長から、テーブルエッグと業務用エッグの二重価格制、転廃業資金の創設、供給過剰時の減羽に対する補償などを内容とする自主基金構想が打ち出され、日本養鶏協会の委員会案とともに検討が加えられ、平成3年7月に自主的な減羽を含む需給調整と、さらに卵価が一定基準を下回った場合は強制的な制度減羽を実施する鶏卵安定自主基金事業部が日本養鶏協会内に設立された。
 同4、5年の卵価は160円台に低迷したため、自主減羽だけでなく制度減羽の実施を決め、公正取引委員会との調整・説得を農水省を通じて行なったが、最終的に公取委の了解が得られず制度減羽は断念。同6年には名称を「鶏卵自主基金」に変更し、積立金を原資に、強制力の伴わない5年間限定の「淘汰鶏円滑化事業」に転換。同7年9月に発動したが、その効果に対する評価は分かれた。また自主基金発足時の、過去の生産調整時に受けた社会的制裁(ペナルティ)に応じた積立金の妥当性をめぐる対立や、組織体制の問題もあって、事業を消費促進を中心としたものに転換した。
 同16年に行政指導に基づく鶏卵の生産調整が廃止され、業界の自主的な生産調整へ移行することになり、これに合わせ、鶏卵自主基金は解散、日本鶏卵生産者協会の結成へと向かった。
 鶏卵流通関係でも、平成元年6月に鶏卵問屋中心の日本卵業協会と、産地や飼料メーカーGPの全国鶏卵規格流通協議会が合併した新しい日本卵業協会が発足した。
 昭和の終わり頃からサルモネラ問題が話題となり、1988(昭和63)年に、当時の英国のカリー厚生大臣が「英国の卵はサルモネラに汚染されている。食中毒が発生する危険性が高い」と発言し、鶏卵の消費量が激減。このニュースは全世界に波及した。日本でも、平成3年9月にティラミスによる集団食中毒、同4年4〜6月にかけ関西で卵焼きなどによる食中毒が発生。同年には、厚生省の食中毒発生状況調査でサルモネラが原因物質の第1位となるなど、鶏卵のサルモネラ対策が大きな課題になった。
 業界では、日本養鶏協会を中心に同5年に「採卵農場における衛生対策指針(案)」の検討を始め、同9年1月に「養鶏場における安全な鶏卵・鶏肉生産のための鶏舎環境および衛生管理指針」を作成した。
 厚生省は、卵のサルモネラ対策として「鶏卵の期限表示(生食の賞味期限表示)」の方向性を打ち出し、厚生省と業界が検討を重ねた結果、同10年6月に、英国のハンフリー博士の研究に基づき、サルモネラ菌の急増が始まるまでの期間を超えない範囲として「卵の賞味期限(生食可能な期間)」が定められた。ただ、この賞味期限の日付は、個々ばらばらであったため、生鮮食品としての視点(消費者目線)も加味し、同23年に「産卵日を起点にして21日以内を限度として表示」することにし、現在に至っている。
 鶏肉業界に目を転じると、昭和61年頃から厚生省が食鳥検査制度の導入を検討し始め、平成元年10月に「食鳥の処理の規制および検査に関する法律案の概要」を日本食鳥協会などに説明。同2年6月に国会で承認され、施行は同3年4月からとなった。業界団体を持たなかった成鶏処理業者は同2年5月に親めす流通協議会(その後、現在の日本成鶏処理流通協議会に名称変更)を発足させ、検査制度に対応した。
 同5年12月にはガット・ウルグアイラウンド交渉が妥結し、鶏卵、鶏肉関係の関税率引き下げが決まり、国際競争力の強化が課題となってきた。
 同16年1月に山口県で79年ぶりに鳥インフルエンザが発生、大分、京都でも発生した。以後、養鶏業界は毎年のように鳥インフルエンザの脅威にさらされることになった。この間、同23年には鳥インフルエンザ防疫指針に関連して、日本養鶏協会の強力な働きかけで、発生農場から半径10キロメートルの移動制限区域を3キロメートルへ、卵の出荷制限を従来の約4日から24時間以内に短縮した。
 同21年に政権が自民党中心の連立政権から民主党を中心とする連立政権に移行したのを機に、22年1月に「成鶏更新緊急支援事業」として鶏卵関係予算の増額(36億5400万円)が決定。同23年度からはこれまでの価格差補てん事業(卵価基金)と成鶏更新緊急支援事業を合体させた「鶏卵生産者経営安定対策事業」(国の予算52億円)が日本養鶏協会を事業主体に始まり、同24年に両卵価基金と日本養鶏協会が合併し、現在に至っている。
 国産や、安全・安心を求める消費者の要望に応えようと、国産の消費拡大への取り組みも進んでいる。鶏肉は、輸入品や鶏肉調製品の増加によって相場の足を引っ張られることが多くなり、生産者は需給見合いの生産や、これまで低需要部位であった「むね肉」の消費拡大などに努めてきたが、平成16年からは日本食鳥協会が中心となり、全鳥連も参加した鳥(チョー)うまい、新鮮、安心、国産チキン≠合言葉にした「国産チキンまつり」を実施。鶏卵業界でも、「いいたまごの日」や「タマリエ検定」「オムレツの日」「たまごニコニコ大作戦」など、関連団体によって様々な消費拡大運動が始まった。消費者の国産志向の高まりもあって、テーブルミートやテーブルエッグとしてだけでなく、外食、中食の分野でも、国産チキンや国産鶏卵の活躍の場が着実に増加しつつある。



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