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内閣総理大臣賞、農林水産大臣賞の受賞を祝う 会田共同養鶏組合 2017.06.05発行 平成27年11月の『全国優良畜産経営管理技術発表会』で最優秀賞の農林水産大臣賞、翌28年11月の第55回農林水産祭で内閣総理大臣賞を受賞した長野県松本市の農事組合法人会田共同養鶏組合の受賞(報告)記念式典が5月涛、松本市のホテル ブエナビスタで開かれ、地域の行政や畜産関連団体、取引先の関係者ら約260人が出席して盛大に祝った。 冒頭あいさつした中島学会長理事は、多数の出席者に謝意を表するとともに、「当組合は昭和38年4月、弱小養鶏家7戸が集まり、急速に近代化、大型化していく養鶏産業の中で、農家養鶏の生きる道を模索し続け、少しずつ成長しながら、今日、55年の日を迎えることができ、創立者として今昔の想いひとしおである。 図らずも平成27年度全国優良畜産経営管理技術発表会において最優秀賞の農林水産大臣賞に輝き、さらに翌年には、伝統ある第55回農林水産祭において内閣総理大臣賞をいただくことができた。これもひとえに、長野県知事をはじめ各行政機関、中央団体などの懇切丁寧なご指導と、『会田のたまご』を指定し、ご愛用いただくお得意様各社などのご教示によるもので、心から感謝申し上げる。当組合が今日あるのは、いまから55年前、先行きが全く分からない中、進んで農場用地を提供いただいた地主様のご協力があったからこそであり、改めて深甚なる感謝を申し上げる。 本日の記念式典は、当組合の次なるステップでもある。創立の理念である『養鶏を営んで人生の意義と幸福を体得する』をかみしめ、組合員一同、次なる50年に向けて出発するため、ご来賓の皆様方には、今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほどを、心からお願い申し上げる」などと述べた。 上村博文組合長理事が「当組合の55年間の歩みが、今回の2年連続の受賞という形で認められたことは、本日ここにおいでの皆様方のご尽力なくしては、かないませんでした」と受賞報告するとともに、受賞に至った組合の特徴について「組合の理念を実現させる、『安心・安全・おいしい卵』を生産するためには、まずはエサからとの信念に基づき、第1種承認飼料工場で、厳選した原料と、非遺伝子組み換え・ポストハーベストフリーの配合飼料による生産をしていること。平成20年からは、飼料用米の利用による循環型農業を確立し、現在では年間約2000トンの飼料用米を使用していること。昭和63年よりアニマルウェルフェアの実現を目指して平飼い飼育を始め、現在では全体の約3割を占めているほか、純国産鶏種の導入や、有精卵の生産で独自のブランドを確立することができたこと。農場HACCPを導入し、徹底した衛生管理と品質の向上・維持に努めてきたこと」などを挙げ、さらに「何よりも、水と環境に恵まれた信州・松本の大地で生まれた『会田のたまご』が、県内外の多くのユーザーに認められ、愛されていることが何よりの喜び、感謝です」と紹介。その上で、「本年、松本市のクラスター事業により、新規鶏舎3棟の建設と、GPセンターの近代化を実現した。この受賞を契機に、決意を新たに、組合員一丸となって、ますます高品質の卵の生産に努めていく」と決意を述べた。 来賓を代表して阿部守一長野県知事(代読・北原富裕農政部長)、南波利昭(公社)中央畜産会代表理事、齋藤利明(一社)日本養鶏協会会長(代読・廣川治専務理事)、田中秀治らでぃっしゅぼーや且幕ニ本部MD部MD本部長、伊藤勝彦NPO法人土と人の健康つくり隊理事長が祝辞を述べた。 北原氏は、畜産分野で農林水産大臣賞と、農林水産祭の内閣総理大臣賞を受賞するのは「長野県で初めてであり、本当に価値ある快挙」と称えて知事のメッセージ(祝辞)を代読し、「会田共同養鶏組合が、協同組合の原則を経営理念として、生産者はもとより、消費者や地域とともに歩み、今、長野県、そして日本を代表する養鶏組合になられたことに心からお祝い申し上げるとともに、長野県民を代表するものとして、大変誇らしく思っている」として、県内農場の模範となる、多岐にわたる先進的な取り組みを紹介。そのうえで「会田養鶏は一時的な利益を追求するのではなく、生産者も、消費者も、地域も、そして鶏も幸せになれる取り組みをされてきた。このような取り組みこそがこれからの時代に求められるもので、県としても現在策定中の次期5か年計画の中に移築していきたいと考えている。今後も、地域になくてはならない企業、また消費者に愛される養鶏組合としてますます発展されることを祈念する」とした。 南波氏は、養鶏を営んで人生の意義と幸福を体得する――を信条に、ロッチデール原則(世界の協同組合に受け継がれている原則)を経営理念に掲げ、30万羽を目標とする経営にまで発展した会田共同養鶏組合を称え、中島会長理事、上村組合長理事、組合員のこれまでの尽力と従業員の頑張りに敬意を表するとともに、「同組合を支えた地主や近隣の皆さん、家族の皆さん方も大変誇らしく思い、喜んでおられると思う。本当によかったですね」とねぎらった。また、同組合の特徴である高い生産技術に裏打ちされた高付加価値卵の生産、農場HACCP認証の取得とサルモネラフリーコントロールを中心とした衛生対策の徹底、共同育成センターや堆肥有機センターを利用した地域社会との連携、飼料用米生産農家との連携による循環型農業の確立、成鶏肉の加工場建設や直売所『たまごの駅』のオープンによる地域雇用の創出と経営の安定化、男女共同参画社会や福利厚生の取り組み――などを紹介し、今後も、「これまで築き上げた強固なDNAを基本に、次のステップに向けて、時代の変化に即した魅力あふれる経営、商品力でお客様を喜ばせてください」と激励した。 齋藤会長(廣川専務理事代読)は、多くの取り組みの中でも、日本の鶏卵生産者が最初に取り組んだ飼料用米について、「会田共同養鶏は単なる議論にとどめず、他に先んじて実行に移した」ことを高く評価するとともに、日本の農業の新基軸となる「耕畜連携、6次産業化、地域経済の活性化、農場HACCPなどを、机上の空論にせず、実現させている同組合の構想力、実行力、団結力」を称えた。 田中氏は、30年前の日本リサイクル運動市民の会で、有機自然卵を取り扱って以来、卵を中心とする安全・安心の商品を提供してもらっていることに謝意を述べるとともに、定期購入している消費者が、卵かけご飯やゆで卵、多くの卵料理で感じる新鮮さ∞おいしさ≠ネどの生の声を紹介。「引き続き会田のたまごを提供いただくとともに、信州・松本の雄として、ますます発展することを期待する」とした。 伊藤氏は、会田共同養鶏組合が鶏の腸内細菌の働きを最適化することによって、農場の臭いを低減するとともに、松本市堆肥有機センターを利用した土づくり事業に参加することで、農薬や化学肥料の使用を大幅に削減した、安全で安心な農産物の低コストでの栽培・供給を実現していることや、同組合が有機センターの有機肥料を購入して飼料用米生産者に販売し、この堆肥で育てた飼料用米を買い取る耕畜連携の活動を称えた。 関係者による鏡開きの後、加藤好一生活クラブ事業連合生活協同組合連合会会長の発声で乾杯し、なごやかに歓談。この間、踊りやスピーチを楽しんだ。 【約260人が会田共同養鶏組合の内閣総理大臣賞と農林水産大臣賞の受賞を祝った】
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