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鶏肉は当面高止まりで推移 鶏卵は上昇後、連休明けに下げへ 2017.04.15発行 3月の鶏卵・鶏肉相場は、いずれも上昇傾向で推移し、鶏肉は、もも・むね合計で1000円の大台に迫る展開が続いている。鶏卵も全市場で200円台を超え、鶏卵・鶏肉ともに川下のユーザーからは「あまり上がると厳しい」との声が出る一方、飼料価格が2期連続で値上がりした産地からは、引き続き堅調な相場推移が望まれている。 3月の鶏肉相場(日経・東京)は、もも肉・むね肉とも前年同月比57円高の各674円、313円、合計で114円高の987円となった。 鶏肉需要は近年、ますます増加しているが、国内の増産は担い手や用地確保の問題などから微増にとどまっている。今年も可能な範囲で増産する産地もあるが、今冬の寒波や大腸菌症、AI発生の影響、ひな不足もあり、生産量が伸びにくくなっている。 このため鶏肉人気≠うまく取り込んでいたのが輸入鶏肉だったが、主力のブラジル産については、利幅の薄い商品の3か月先の需給を読み切ることは至難の業で、輸入商社は一昨年ころも逆ザヤに陥っている。 そのような取引環境下で昨秋に、再び国内価格に比べて輸入価格が上昇し始めたことから、当時の在庫量(約14万トン)など様々な要因も背景に輸入量が絞られていたところへ、検査官の収賄と食肉不正検査の疑惑が発生。本紙前号既報の通り、セアラは安全性に問題がないことを強調しているが、厚労省は3月21日付で、同国公表の21工場(実質的には実績があるセアラの1工場)の輸入手続きを保留した。 同国産を撤去する一部スーパーの様子なども報道され、卸関係者には、消費者のブラジル産離れ≠懸念する声もあるが、現時点で外食や業務筋の多くはブラジル産の使用を継続。大手スーパーのイオン広報は「1社の工場のものが輸入されたとのことで調査し、一部の調味料やスープなどのNB商品の販売を見合わせたが、デリカや畜産関係は一切該当がなく、ブラジル産鶏肉の販売を継続している」としている。ブラジル本国の動きについても「不正問題はこれ以上広がらない」とみる商社関係者も。 ただ、厚労省は検疫解放された在庫にも流通見合わせを求めているほか、同国産はすべてサルモネラなどを検査しているため、検疫と通関は停滞。4月に入り動き始めているが、3月21日以降に到着して留め置いている製品もあるとのこと。 これらの要因から、ブラジル産鶏肉の需給はひっ迫。国産むね肉や中国・タイ産へシフトする動きも一部あるが、国産は余力が少なく、中国製調製品は3年前の期限切れ品混入事件以降、年間輸入量が2割ほど減少。 スポットの調達が難しくなる中、ブラジル産の現物卸価格は400円近くに上昇。タイ産や国産むね肉も国際価格に連動して上昇している。 輸入鶏肉の在庫量は、現在「11〜12万トン」が適正水準との声が聞かれる中、2月は11万5359トン。ただ、過去1年間の月間平均出回り量4万6000トンに対し、昨年10月〜今年3月のブラジル産月間平均積み出し量は、同期比で09〜10年以来の3万トン割れとなる2万9763トン。3月単月では3万7000トン近くになったが、米国・タイから合計1万トン程度輸入されるとしても、期末在庫は一層減少する情勢。 ブラジル産の第2四半期生産分はトン2400〜2500ドルで成約しつつあるとの話が聞かれ、国内では諸経費込みでキロ300円を超える見込み。このため、当面の現物価格は取引条件によるが、ブラジル産もも肉が300円台後半、タイ産角切りも400円程度での推移が見込まれている。 ただ、国産の日経相場については「これ以上上がると需要が別方面に向かいかねない」ことから、「さらに上がる展開にはなりにくい」とみる向きが多い。「暖かくなりやや緩みが出ている」との声も。5月ごろまでは、もも肉は現水準の670円半ばから680円半ば程度、むね肉も310円前後の横ばいで推移するとみる関係者が多い。
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