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豊橋のうずら相場上伸

2015.11.15発行
 うずら相場(卸値、30個)は東京市場195円、大阪市場196円で横ばいが続いているが、豊橋市場では10月9日に3円上がって188円(10月の月間平均は187.14円)となった。
 豊橋市場での上伸は昨年5月に、NHKの長寿番組『ためしてガッテン』でうずら卵が特集され、注文が殺到したため200円を付けて以来。このときに東京、大阪市場も現在の相場まで上昇したが、豊橋市場では需要の減少もあってか、同年6月20日に185円まで下がっていた。
 今回の相場上昇の背景には、飼料価格の高止まりと生産者の高齢化、後継者不足などによる東三河地区(愛知県東部)での農家戸数と羽数の減少がある。
 一方、需要面では生産量の6割程度が回るといわれる缶詰用など『加工用うずら卵』への引き合いが今春から強まっている。学校給食や食品メーカーでの利用だけでなく、スーパーやコンビニなどでも水煮やくん製卵、味付きゆで卵の取扱量が次第に増加。生鮮用パック卵の販売も順調だとされ、需要は高まっている。
 加工メーカーは「国内の生産者がこれ以上減ると国産うずら卵の安定供給が揺らぐ」との懸念から徐々に仕入れ価格を上げているようで、これに引っ張られて豊橋のうずら相場も3円上げたとの見方もある。
 うずら業界からは「例年、年末には通常の2〜3倍の発注がくる。この状況では今後もう一段階の相場上昇も大いに考えられる」との声も。
 東京と大阪市場がもちあいで推移していることについては「豊橋が動けば両市場も動くことが多いのだが、うずら卵は固定価格取引が増えているためか、いまのところ動きはみられない」との意見が聞かれた。
 うずら関係者は「現在の180円台の相場では高止まりしている飼料価格を吸収できない。さらに戸数・羽数が減少すれば絶対数が不足し、09年のAI発生時と同じような相場(最高値213円)の動きがあるのでは。業界全体として、うずら卵の適正価格はいくらなのかを考え直す契機としたい」と話している。



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