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TPP関税交渉 鶏肉、鶏卵はすべて撤廃 当面の対策を関係筋に要請

2015.11.05発行
 政府は10月20日までに、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉で合意した関税撤廃の全容を発表した。全9018品目のうち8575品目(95.1%)の関税が撤廃される。農林水産物は2328品目で、うち1885品目(81.0%)の関税が撤廃される。国会決議などで守るべき対象とされた重要5品目について甘利明TPP担当相は「守るべきは守った」としているが、米は58品目中15品目(25.9%)、麦は109品目中26品目(23.9%)、牛肉は51品目中37品目(72.5%)、豚肉は49品目中33品目(67.3%)、乳製品は188品目中31品目(16.5%)、砂糖・でん粉は131品目中32品目(24.4%)で関税が撤廃され、大きな風穴が開くことになった。
 重要5品目に含まれなかった養鶏関係では、わが国での飼養実績が少ない七面鳥や家きん肉(あひる、がちょう、ほろほろ鳥)関係の関税は発効時に即時撤廃となる。鶏肉や鶏肉調製品は主要輸入国のブラジル、タイ、中国がTPPに参加していないため、国内への影響は少ないとして6〜11年で撤廃される。
 鶏卵関係は、生鮮・冷蔵殻付卵は、発効時に20%削減して6年間据え置き、7年目から段階的に引き下げ13年目に撤廃。
 ゆで卵やピータンなどの殻付鳥卵は段階的に引き下げ11年目で撤廃。
 全卵粉は、発効時に50%削減して6年間据え置き、7年目から段階的に引き下げ13年目に撤廃。
 凍結全卵と凍結卵黄、卵黄粉は、段階的に引き下げて6年目に撤廃。
 卵白(液卵、粉)は即時撤廃となっている。
 政府はTPP総合対策本部を設け、守りから攻めの農業に転換して、若い人が夢を持てる農業へ万全の対策を講ずるとしているが、日本養鶏協会は「鶏卵生産者および関連産業にとって厳しい結果であった」とし、当面の対策として@鶏卵価格の低下圧力に対応したセーフティーネット(鶏卵生産者経営安定対策事業など)の強化A生産・流通の各段階におけるコストダウンを可能とする合理化・大型化への支援B消費者の国産鶏卵志向向上のため、生産者自らが行なう啓蒙活動を促進するチェックオフなどの仕組み構築の支援C安全・安心の確保(鮮度・品質など)への支援D内外価格差が生じている要因分析と対策検討への支援E鶏卵製品や中食・外食での使用食材の原産国表示の徹底――など。日本食鳥協会も、@加工鶏肉や外食での原産国表示の徹底A鶏肉生産・処理段階での生産性向上と合理化を目指す施設改善への支援と、補助対象にインテグレーターも加えるB配合飼料の価格安定対策の充実――を要望している。



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