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畜産業にも『女子力』を! 全国畜産縦断いきいきネットワークが大会

2015.09.25発行
 畜産業にも『女子力』を――。全国畜産縦断いきいきネットワーク(事務局=(公社)中央畜産会内、会員数107人)は8月27日、東京都中野区の中野サンプラザで設立11年目の大会を開き、畜産農家の女性ら約120人が参加した。
 午後1時に島田玲子会長(養豚・新潟)のあいさつで幕を開け、農水省生産局畜産部の大野高志部長と、中央畜産会の南波利昭副会長が祝辞を述べた。
 参加者は那須眞理子さん(肉用牛・熊本)が作・演出した寸劇『カラスのときめき』に笑い、フリーアナウンサーとして全国の農村を取材する小谷あゆみさんの講演に耳を傾けた。且R下鶏園の山下恵美子さん(採卵鶏・三重)らによる話題提供やパネルディスカッションもあり、終始和気あいあいとした雰囲気で『今後の畜産女性』についての考えを出し合った。
 山下さんは「人との出会いが私と家族を変えた」と強調し、地元や県外の畜産農家との交流から生まれたエピソードを披露。渠ゥ中育雛場社長の畠中五恵子さん(採卵鶏・福岡)との思い出も交えて「畠中さんの話からは学ぶところが多く、私は息子に『彼女の顔つきと話し方から学んでこい』と言って講演に参加させたことがある。講演テーマは6次産業化ならぬ10次産業化というもので、何よりも発想力が凄いし、やはり、表に出ている人は違うなと感じる。私自身も今回の大会で見て、聞いて、感じたことを、農場で頑張っている皆に“お土産”として持ち帰りたい」などと話した。
 畠中さんも「山下さんをはじめ、素晴らしく前向きな皆さんと同席できてうれしい」と笑顔をみせ、司会者から畜産業の後継者問題について振られると、「我が家には息子と娘が5人いて、上の男2人は大学で農学と獣医学を学んでいる。しかも双子なので『誰に継がすべきか…』と悩むし、周りの人からも後継者について散々聞かれている。ただ本当は女の後継ぎのほうが良いと思う(笑い)。いまの男はなかなか結婚しないし、結婚したと思ったら離婚して、奥さんが子どもを連れて出て行くという話は本当によく聞く。私の周りの養鶏家でも、後継者がうまく育ち、事業も順調なところは娘が後を継いでいる。ぜひ皆さんも娘をうまく育ててほしい(笑い)」と、ユーモアたっぷりに発言した。
 会員による1分間スピーチでは旧F野養鶏の熊野智子さん(採卵鶏・愛媛)と(農)セイメイファームの嶋田文代さん(同・埼玉)も日ごろの思いなどを伝えた。
 締めの大会宣言で@女性が輝く畜産経営の実現A畜産団体が一丸となったTPP対策B安全・安心な畜産物の生産と供給C国産畜産物の消費拡大――に取り組もう、との意識を共有。懇親会に移ってざっくばらんに語り合った。
 翌28日は、農水省の畜産行政担当者との意見交換会も実施。畜産女性の“現場の声”を霞が関に届けた。
 【寸劇『カラスのときめき』】



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