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種鶏導入計画は年間で増、年度では伸び悩む

2015.07.25発行
 (一社)日本種鶏孵卵協会(山本満会長)は7月8日にブロイラー、9日にレイヤーの素ひな計画生産検討会を開いた。平成27年(1〜12月)の種鶏導入羽数(計画)は、ブロイラー用は前年比2.2%増、レイヤー用は6.2%増加するが、27年度(27年4月〜28年3月)ではブロイラー用は2.6%減、レイヤー用は0.7%増となり、28年1〜3月の導入計画が伸びない要因としては、ひな価格が適切でないためとみられている。ひな需給はブロイラーでは9、10月、レイヤーは8月を除いて各月とも不足気味に推移するとみられている。

ブロイラーひな需給 9、10月不足気味
 ブロイラー孵卵場51社(場)から集計した平成27年(1〜12)の種鶏導入計画羽数は488万7243羽で、前年実績(478万3611羽)に比べ2.2%増となったが、27年度(27年4月〜28年3月)では473万30羽で、前年度実績(485万5306羽)に比べて2.6%減となる。
 このように年次ベースで増加し、年度ベースで減少する傾向は、主要産地の東日本や九州でもみられ、飼料価格の高止まりやひな価格安などにより、ブロイラー孵卵業の先行き不透明感を反映して、28年1〜3月の種鶏導入計画が、前年実績ほど伸びていないためとみられる。
 これを基に推計した全国の種鶏導入羽数は、27年が506万羽で、前年(494万1000羽)比2.4%増、27年度が484万8000羽で、前年度(504万6000羽)比3.9%減の見込み。
 羽色別の種鶏導入計画を前年と比較すると、白色羽系は2.2%増、前年度比では2.5%減。有色羽系は前年比9.0%増、前年度比では6.2%。地鶏系は前年比6.1%減、前年度比でも5.0%減。
 全体の構成割合は、27年は白色羽系97.1%(27年度も97.1%)、有色羽系1.8%(同1.7%)、地鶏系1.1%(同1.1%)で、白色羽系が大部分を占める。
 種卵採取開始日齢180日、採取期間270日(27〜64週齢)、種鶏1羽当たりひな生産141.7羽を基に試算した27年のブロイラー用ひなの生産は7億222万9000羽で前年比0.2%減、27年度では7億160万羽で前年度比0.4%減となる。
 コマーシャル素ひなのえ付け羽数を、6月以降は前年並みと仮定すると、27年は6億9841万8000羽(前年比0.7%増)で381万羽の余剰、27年度では6億9841万8000羽(前年度比0.2%増)で318万羽の余剰となるが、月別では9、10月が不足となっている。
 ただ、日本食鳥協会主要産地協議会の27年度ブロイラー出荷計画は前年度比1.5%増の見込み。これをひなえ付けベースでみると約7億400万羽台になり、不足感が強くなる可能性もある。

レイヤーひな需給 各月とも不足気味
 レイヤー孵卵場21社(場)から集計した平成27年(1〜12月)の種鶏導入計画羽数は104万4010羽で、前年実績(98万2610羽)に比べ6.2%増となったが、27年度(27年4月〜28年3月)では101万5870羽で、前年度実績(100万9060羽)比では0.7%増とわずかな増加にとどまっている。
 このように年次ベースはかなり増加するが、年度ベースでは伸び率が鈍化しているのは、レイヤーひなについても、飼料価格の高止まりやひな価格安などによる種鶏孵卵事業の先行き不透明感を反映して、28年1〜3月の種鶏導入が伸びなかったためとみられる。
 地域別では、東日本が年次、年度とも増加。中四国・九州は年次で増加しているが、年度では減少し、中部は年次、年度とも減少している。
 これを基に推計した全国の種鶏導入羽数は、27年が118万3000羽で、前年(112万羽)比5.6%増、27年度が116万4000羽で、前年度(112万8000羽)比3.2%増が見込まれている。
 卵殻色別の種鶏導入計画を前年と比較すると、白色卵系は11.3%増、前年度比較では3.9%増。褐色卵系は前年比0.5%増、前年度比では0.7%増。ピンク卵系は前年比6.8%減、年度比でも18.8%減。
 全体の構成割合は、27年は白色卵系62.9%(27年度では62.8%)、褐色卵系28.3%(同28.9%)、ピンク卵系8.8%(同8.3%)で、白色卵系がやや増加し、褐色卵系とピンク卵系がわずかに減少気味となっている。
 種鶏の育成率97%、種鶏供用期間308日(44週まで)、種卵の採種率92.8%、種鶏1羽当たりひな生産100.34羽、同年間平均生産羽数118.9羽を基に試算した27年の素ひなふ化羽数は1億434万7000羽、うち素ひなの出荷羽数は9704万2000羽で前年比2.8%減、27年度では9803万羽で前年度比0.4%減となる。
 コマーシャル素ひなのえ付け羽数を、6月以降は前年並みと仮定すると、27年は1億269万3000羽(前年比0.4%増)で565万羽の不足、27年度では1億269万3000羽(前年度比0.2%減)で466万羽の不足となる。月別では8月と28年3、4、8、9月を除く各月で不足気味で推移し、特に27年12月は105万5000羽の不足となっている。



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