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強固な産業基盤の確立を 国産志向を追い風に!

2014.07.25発行
 今年前半の鶏卵・鶏肉相場は、国内の生産量があまり増えなかったことや、加工筋などの堅調な需要に支えられ、昨年を大きく上回った。反面、史上最高値で高止まりしている配合飼料価格に加え、燃料費、輸送費、電気代の値上がりによるコスト上昇、さらに最近では人手不足なども深刻になり、生産・流通の現場からは「現在の価格水準が続かないと経営は厳しい」との声が聞かれる。
 さらに大きな問題となっているのは、関税の原則撤廃を基本とするTPP(環太平洋経済連携協定)で、農畜産物の重要5項目の取り扱いなどで日米間の溝は埋まらず交渉は難航。「年内合意が目標」へと先送りされ、重要5項目に含まれていない鶏卵・鶏肉の関税がどうなるかも不明のままだ。ただ、4月に合意した日豪EPAでは、鶏卵の殻付卵関税(17.0%)は引き下げを免れたが、卵白(8%)は即時無税、全卵と卵黄の液卵・粉卵(18.8〜21.3%または48〜51円/キログラム)は3〜5年で無税に。鶏肉は骨付きもも(8.5%)を6.8%、その他鶏肉(11.9%)を10.7%、鶏肉調製品(6.0〜21.3%)を3.6〜19.1%に引き下げる。当然、TPP交渉では日豪と同じか、それ以上の厳しい内容になることを覚悟しなければならない。
 鶏卵・鶏肉の関税撤廃の影響について政府の試算では、加工用や業務用向けの輸入量が増加する分、国内の生産量は、鶏卵で17%、鶏肉で20%程度減少すると見込み、国内の鶏卵・鶏肉の産業規模が縮小すると予想している。
 消費者の間では、家庭で料理する機会が年々減少し、総菜や加工品、冷凍食品を買ったり、外食することが多くなっている。コンビニの鶏のから揚げの多くが輸入品であるように、コストに制約のある総菜・加工食品業者や外食業者は、ともすれば安い輸入品を利用することが多くなりがちだ。また、飲食店などでも、人手不足や人件費の削減の中で、店で揚げたり、焼いたりするだけでよい半製品を求める要望が強くなっている。
 しかし、食の安全性を重視する消費者の多くは、依然、国産志向が強い。従って、加工メーカーや外食企業向けに、いかに国産の鶏卵・鶏肉を利用してもらう仕組みを作るかが大きな課題となる。場合によっては、生産側が自ら付加価値のある総菜・加工食品づくりに乗り出し、コンビニや飲食店向けに販売していくことも考えていかなければならない。
 鶏卵・鶏肉は、動物性たん白質の中で最も飼料効率が良く、低コストで生産でき、栄養成分にも優れている。鶏卵のコレステロールへの誤解は科学的に修正されつつあり、糖尿病患者などは摂取量に注意が必要とされるが、健常者では1日1〜2個程度の摂取は血清コレステロール濃度に影響しないことが明らかになっている。むしろ卵が持つ多様かつ豊富な栄養機能成分に注目すべきであり、これらの良い点を広く消費者に訴えていく必要がある。鶏肉も、食肉の中で最も廉価であり、高たん白低脂肪で健康に良いうえ、むね肉の抗疲労効果や記憶を高める機能なども注目されている。
 国産の鶏卵・鶏肉がこの“消費の伸びしろ”を担うことができれば、関連業界も含め皆が潤い、消費者はますます健康になる。市場の維持、拡大への『国産』のチャンスは広がっている。



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