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「通常補てんの発動基準」見直し 異常補てんに特例基準 配合飼料価格安定制度変更 2014.02.15発行 平成26年度(26年4月)から配合飼料価格の安定制度が変更される。通常基金の補てん発動は、メーカーが発表する価格改定額(建値)を指標とするのではなく、当該四半期の輸入原料価格で決める。このため補てん単価の決定は遅くなるが、支払い時期はほとんど変わらない。異常補てんは、特例基準を新設・追加して、通常基金の財源負担が大きくなる時期に発動しやすくし、通常基金からの支出を軽減する。さらに通常基金の借入金の返済についても、より柔軟に対応できるようにする。 配合飼料価格の上昇が畜産経営に及ぼす影響を緩和する配合飼料価格安定制度は、近年の大幅補てんで借入金の返済負担が補てん財源を圧迫するなど、基金の運営面で大きな問題を抱えたため、同制度の抜本的な見直しを行なうもの。26年度からの見直しのポイントは、(1)通常補てんの発動基準の変更(2)異常補てんの機能強化(3)飼料基金の借入金返済方法の柔軟化――の3つ。 畜産生産者と飼料メーカーの自主財源で成り立っている『通常補てん』は、これまでは飼料メーカー11社・団体の『配合飼料価格(建値)の改定額の平均』を基に通常3基金が算出して決めてきたが、各メーカーの発表価格は大幅な格差が生じることがあったため、新制度ではより公正・客観的な指標として、異常基金の発動基準と同じ直近1年間の輸入原料(トウモロコシ、マイロ、大豆ミール、大麦、小麦、ふすま)価格の変動差から算出する。 補てんの有無や単価はこれまで、飼料価格が改定される『当該の四半期が始まる前』に決めていたが、新制度では異常補てんと同じ『当該の四半期が終わってから1か月以内』に、3基金の理事会で決めることになるため、決定や発表は遅れるが、支払い時期はこれまでと変わらない。 異常基金の補てん機能強化では、25年度補正予算で100億円を計上して補てん財源を強化する。また、異常補てんは、輸入原料価格が『直近1年間の平均(基準価格)』より15%以上高騰しないと発動しなかったため、1年以内に急騰があった場合に発動しづらいとの問題があった。新制度ではこれまでの基準に加えて、異常補てんが発動しない場合にのみ、半年前の価格(1年半前から半年前までの1年間の輸入原料価格の平均)を基準とする特例を設け、特例基準より15%相当上がっていると、総補てん額の3分の1まで発動できるようにする。 昨年7〜9月期の輸入原料価格、平均3万6773円を例にすると、直近1年間の平均(基準価格)の3万2083円より14.6%高となるため、補てん単価は4690円となり、通常基金からの補てんのみになるが、新制度の異常基金の特例基準価格(1年半〜半年前の平均2万8188円)を適用すると、総補てんの3分の1までの異常補てんが発動され、通常補てん額は3127円、異常補てん額は1563円となって、通常基金の補てん財源の負担も軽減される。 通常3基金は配合飼料価格の急騰を受け、平成20年度に市中銀行などから約1192億円を借り入れて補てんを実施し、毎年度の積立金から計画的に返済しているが、24年度に改めて333億円を異常基金から借りたため、24年度末の3基金の借入金合計は約985億円となり、基金運営を圧迫している。26年度は180億円を返済することになっているが、このうち90億円を(独)農畜産業振興機構(ALIC)に借り換えるとともに、残額の90億円についても、必要時に通常補てんに充当できるよう、実質的な繰り延べ体制を確保した(27年度分も、26年度の状況をみて検討)。 異常基金とALICへの返済についても、財源状況をみながら柔軟に対応していく。
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