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鶏卵、食鳥相場が上昇 猛暑の後遺症で12月も堅調に 2013.11.25発行 8月以降、猛暑の後遺症による供給源の影響などで上昇してきた相場は、11月21日には鶏卵(東京M加重)は280円、鶏肉(日経東京正肉)は907円(もも642円、むね265円)となった。鶏卵、鶏肉の需給は当面緩むことはないとみられ、相場は12月も堅調に推移するとみられている。 ◎鶏卵 東京の鶏卵相場(M加重)は、6月中旬から7月中旬にかけて153円の底値をつけてからゆっくりと回復し、7月は15円、8月は27円、9月は25円、10月は5円値上がりし220円台となった。大方の見通しでは、夏場の猛暑による産卵率や卵重の減少、死亡鶏の影響などは徐々に回復し、成鶏更新・空舎延長事業で淘汰した後のひなの再導入も始まるため、出回り量は増加し、「11月の相場は下げはないまでも、保合い状態が続く」とする声が強かった。 それが一転して11月に入り6日に10円、8日と12日に各5円、13日に15円、15日に10円、21日に10円の計55円も値上がりしたのは、夏場の安い時期に十分に原料卵を手当てできなかった加工筋の強い買いが続いているため。 流通関係者からは『異常事態』との声が出ているほか、荷受関係者からも「当初の見通しでは、今秋は産地の生み出しや産卵率の回復などで生産が増え、量販店も特売をやめているため、需給は落ち着いてくるとみていた。ところが、生産は思ったほど増えず、販売面は特売がなくなった分、ブランド卵などの定番(定価)商品の注文が増えて、テーブルエッグ需要は減らなかったほか、夏場に集められなかった加工関係の手当てが、ここへきて“めちゃくちゃ旺盛”になっているため、逆に強含みになった」としている。 生産が増えない要因としては、夏場の酷暑による産卵率や産卵減の後遺症のほか、暑熱による羽数減の影響が指摘されているが、具体的な熱死羽数などは明らかになっていない。ただ、ひなえ付けは、9月は約8%増加したが、1〜8月累計では約2%減、同期間の配合飼料生産量も育すう用は約4%、成鶏用は約2%減少しており、稼働している成鶏めす羽数が前年を下回っているのは間違いないとみられる。 日刊紙には、一部の加工筋が、輸入液卵の手当ても考慮しているとのニュースも出ていたが、円安や輸入時期の問題などから「うまく手当てできていない」との話も聞かれる。このため、今後の相場についても、「供給は増えない中で、小売店頭価格の上昇による消費者の買い控えや、加工筋のメニューの置き換えなどがなければ、需給が緩む可能性は低く、むしろもう一段上がっても何らおかしくない」との声もある。 ただ、あまり高騰すると先々の需給に悪影響するのでは、との懸念の声があるほか、年明け相場も、2014年は9連休後の年始相場となるため、加工筋の手当てとの関係で不透明となっている。 ◎食鳥 11月に入って食鳥相場(日経東京、もも・むね合計)は900円を挟んで一進一退していたが、15日以降は900円台に乗せ、もも肉も18日には640円台となった。 食鳥も鶏卵と同じく、夏の猛暑の影響で、体重減などが続いたほか、種鶏の生産性にも影響し、ひな不足などから供給減が続いている。(一社)日本食鳥協会が10月段階でまとめたブロイラーの生産・処理動向でも、処理羽数は前年同月比で11月1.8%増、12月0.2%増となっているが、生体重量は11月0.9%減、12月2.1%減の見通し。 また、需給がひっ迫した要因の一つに、ホテルや百貨店のレストランでの食品偽装問題があるとの指摘も。国産鶏肉は偽装表示の被害者の立場であったが、ホテル・百貨店で食材の見直しが行なわれた結果、国産鶏肉の需要が増加し、少なくとも年内は強基調が続くとみられる。 ただ、日本食肉輸出入協会の12月の鶏肉輸入見通しでは、前年同月比52%増の3万5100トンとなっており、相場を冷やすことになるか注目される。
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