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肉用鶏のアニマルウェルフェアシステム追加へ 農水省がOIE連絡協で意見交換 2013.01.05発行 農林水産省は去る12月4日、東京都千代田区の同省会議室で平成24年度第1回国際獣疫事務局(OIE)連絡協議会を開き、今年5月のOIE総会で審議予定の『アニマルウェルフェア(AW)と肉用鶏生産システム』の章をOIEコードに追加する案や、伝染性ファブリキウス嚢病など16疾病を、輸出入の際の検疫や国際的な監視の対象になる『OIEリスト疾病』から除外する案について意見交換した。 『AWと肉用鶏生産システム』の章を追加する案は、OIEが2009年7月に開いた特別会合で原案が検討され、11年5月のOIE総会に提出されたもの。同総会では、発展途上国を中心に「もっと議論を深める必要がある」などの意見が出たため、採択を延期していた。ただ、12年5月のOIE総会で、『AWと肉用牛生産システム』の章の追加が採択されたため、肉用鶏の章の検討が再開され、12年9月のOIEコード委員会に修正案が提出された。 修正案は、途上国の意見を受けて「対象は商業目的で生産される肉用鶏で、村で飼育されている家きんや裏庭養鶏は含まない」としている。1羽当たりの飼養面積や死亡率などについては「適切な密度で」「正常な姿勢をとれるよう」など“推奨事項の記載”が中心。ただ、アンモニア濃度は「肉用鶏の背の高さにおいて25ppmを常に超えないようにする」、温度の点検は「少なくとも1日2回」と具体的に明記している。 協議会では、「衛生管理に関する条項で『獣医師あるいは他の資格』と記述されているが、他の資格は何を指すのか」「一部の語句の意味が不明確」などの意見が出されたほか、所用のため欠席した竹内正博氏((株)イシイ社長)は「一部不明瞭な点はあるが、(社)畜産技術協会の指針にほぼ対応しており、わが国として受け入れ可能な案ではないか」とのコメントを寄せた。 農水省は、関係各省の意見などもまとめ、13年1月18日までにOIEコード委員会に提出すると同時に、農水省のホームページにも掲載する。 コード委員会は2月に、各国から提出された意見を検討し、加盟国の支持が見込まれる案を5月のOIE総会に提出する。総会で採択されると、OIEコードに追加されて新たな国際基準になる。 OIEコードは、加盟国(178か国・地域)が動物の疾病や家畜福祉、畜産物の安全確保などに対応したり、疾病の発生国からの畜産物や動物の輸入を制限する際に参照する国際基準。ただ、AWについては、輸入検疫の条件などを定めたWTO協定内に明確な規定がないため、輸入などを制限する条件にならないとされている。 OIEリスト疾病から除外する案については、慎重にすべきとの意見が出された。
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