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育成鶏舎と鶏卵GPセンター落成 最新設備で経営改善計画達成 宮アのフュージョン 2011.09.15発行 採卵養鶏大手の(株)やなぎたの事業継承を目的に設立されたフュージョン(株)(赤木八寿夫社長―本社・宮崎県都城市)は9月1日、経営改善計画に基づく育成鶏舎と鶏卵GPセンターが完成したことから、GPセンター現地見学会と、都城グリーンホテルでの落成式を行なった。 落成式に先立って、同市高城町の第2高城工業団地に完成した鶏卵GPセンターの見学会には全国から約300人の関係者が出席した。 総工費18億円を投じて完成したGPセンターは、敷地1万9006平方メートルで、建物は鉄骨・パネルシステムの2階建てで、延べ床面積7500平方メートル。1階は6890平方メートルで、事務所・会議室のほか、工場部門の原料卵受け入れの汚染区と、パッキング、製品保管倉庫、出荷前室などの衛生区に完全分離し、各設備も最新鋭機器を導入。2階は610平方メートルで社員食堂など。1日の処理能力は日本一の100トン(200万個)となっている。 落成式であいさつしたフュージョンと、親会社のアミューズ(株)両社の会長を務める赤木紀元氏は「今回のGPセンター建設は、平成21年から始まったフュージョンの改善計画の最もメインとなる大きな事業であった。 承知のように、平成19年3月、飼養羽数では九州最大で、管理面でも4万羽ごとのオールイン・オールアウトを実践し、鶏にかける意気込みには常々敬意を払っていた前会社が不幸にも民事再生法を申請することになり、前経営者からは施設はもちろん、従業員も一括して引き継いでほしいとの申し出があり、私も前経営者に育てていただいた養鶏人の一人として、消費地から遠い南九州でも採卵養鶏が事業として立派に成立することを実証したいと決意し、引き継ぐことにした。 幸運にも、事業再生計画を理解した各金融機関から資金を融資していただき、行政においても制度資金の紹介、さらに都城市からは都城インターチェンジに近く、高速道路網で福岡、大阪方面に出荷できる好立地にGPセンターを誘致していただいた。また、日和産業(株)には、民事再生の申請時から決着がつくまでの約16か月間、会社がどうなるか分からない中で、配合飼料の供給を続けていただいた。 このような多くの方々のご理解、ご支援があって、立派なGPセンターだけではなく、堆肥舎の建設や、育成農場の新設、採卵農場の改築など、様々な事業を行なうことできた。 前会社ではこれまで、長い間設備投資が行なわれなかったため、何かと社員に苦労をかけ、品質も決して満足できるものではなかったが、今回の改善計画で、幾分かは全国レベルに近づけたものと自負している。 GPセンター建設に当たっては、設計士、建設・設備業者の経験・技術・情報もさることながら、我々に快く工場を見学させていただいた(有)大館ファーム、(有)スズキファーム、(株)八千代ポートリー、(株)トマルなど、多くの皆様の知恵も取り入れさせていただいた。 特に今回のGPセンターでは、洗卵・選別とパッキングを切り離すタワーシステムが鍵になると考えており、この設備システムの導入が、今後の新製品作りや、商品化に大いに貢献してくれるものと期待している。 GP周辺機器の主なものは(株)ナベル製であるが、卵の輸送設備とGPへの供給部はオランダ製を使用している。社長によると、この設備機械のおかげで卵の処理スピードは日本一どころか世界一かもしれないとも聞いている。また、育成の八ヶ代農場には韓国製の設備を採用した。 ソフト面、ハード面、経済面で世界の最新設備を導入できたのも、社長ともども海外視察に同行させていただいた皆様のお陰であり、改めてお礼申し上げる。 会社が発足して丸2年、鶏卵流通の方々には数々のご不便をおかけしたが、今回の改善計画の完成によってようやく会社の核ができ、ようやくご恩返しができるととともに、会社の運営にも大きな弾みがつくものと確信している。しかし、南九州に位置する我々の課題がすべて解決したわけではなく、設備投資も今回で完了したわけではない。皆様にはこれからも引き続きご支援、ご指導、ご鞭撻をお願いする」などと述べた。 多数の来賓を代表して宮崎県北諸県農林振興局の土屋秀二局長、(株)日本政策金融公庫の皆川博美常務取締役、(株)鹿児島銀行の日高正文常務取締役、JA全農たまご(株)の福田雅之社長、(般)日本鶏卵生産者協会の栗木鋭三前会長、(社)日本卵業協会の羽井紀行会長がお祝いを述べ、それぞれが最高水準の素晴らしい施設の完成を祝福した。 建設、設備の導入に貢献した(株)志多組、JFEシビル(株)、(株)ナベル、(株)ハイテム、前進産業、(株)アカザワ建築設計事務所、(株)森建設の7社に赤木八寿夫社長から感謝状と記念品が贈呈された。 赤木社長が、日本政策金融公庫など4金融機関と投資会社1社から、総額30億円の協調融資を受けて整備・改善した鶏ふん処理場や、鶏舎改造、八ヶ代育成農場、GPセンターの概要と狙いについて説明して式典を終え、懇親会では、都城市の長峯誠市長と日向市の黒木建二市長が祝辞を述べ、(株)南日本銀行の森俊英頭取の発声で乾杯し、なごやかに歓談した。 【写真説明=育成鶏舎と鶏卵GPセンターの落成式であいさつする赤木紀元会長(左上)、都城市の第2高城工業団地に完成したGPセンター(右上)、洗卵・選別機に卵を供給するオランダ製デパレタイザー。輸入代理はハイテム(左中)、洗卵・選別とパッキング作業の独立稼働を実現した自動倉庫のタワーシステム(右中)、ナベルの時間3万卵のオートパッカーを6台導入(左下)、八ヶ代育成農場の内部と導入した晃伸製機の洗浄ロボット(右下)】
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