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夏期の電力使用制限 大口需要家の15%削減 処理場や大規模採卵養鶏場などが対象 2011.06.15発行 東日本大震災以降、東京電力と東北電力管内の電力供給が大幅に減少し、需給ギャップに対応する節電対策が課題となっている。今年夏の電力について政府の電力需給対策本部は、両管内の大口、小口需要家や家庭に対し、電力需要の一律15%削減の抑制目標を示す一方、契約電力500キロワット以上の大口需要家には、強制力を持つ電気事業法第27条に基づき、7月1日から9月22日の午前9時から午後8時まで、昨年夏の使用最大電力から15%削減する『電力使用制限』を実施する。養鶏関係では、ウインドレス鶏舎とインラインGPを併設した大規模な採卵養鶏場、ブロイラー処理場、液卵専門施設などが対象になるとみられる。 今年の7月1日から9月22日まで、電気事業法第27条に基づき、昨年夏の使用最大電力から15%削減する『電力使用制限』は、故意に違反した場合は100万円以下の罰則対象となる。使用制限の対象となる大口需要家には、経済産業省から6月1日に使用制限となる事業所(需要設備)や使用電力の限度を記載した通知がされている。 『電力使用制限』は、災害救助法における避難所などの適用除外はあるが、ほとんどの大口需要家が対象になる。ただ、医療施設や老人福祉・介護施設、データセンター、鉄道、冷蔵倉庫、港湾など、人や物流に大きな影響を持つ施設は制限緩和措置が取られる。 畜産関係では、と畜場法に定める『と畜場』が、衛生・公衆安全に関係するものとして削減率10%の緩和措置が取られている。一般的な食品製造業に分類され、と畜場法の対象ではないブロイラー処理場や成鶏処理場は緩和措置の対象になっていない。各処理場は冷蔵・冷凍施設も持っているため、「緩和措置の対象にならず、15%削減となるのは非常に厳しい」との声が上がっている。 養鶏関係施設では、ほとんどの孵化場や、単独の鶏卵GPセンターは契約電力500キロワット以下で大口需要家にならないが、30万羽以上のウインドレス鶏舎で、GPセンターを併設した採卵養鶏場はボーダーラインで、40万羽以上になると対象になるとみられる。大規模な採卵養鶏場からは緩和措置を求める声があり、日本養鶏協会や日本食鳥協会も会員の声を政府に伝えているが、条件緩和は難しいようだ。 強制力のある『電力使用制限』に限らず、養鶏場が夏期に節電を求められた場合、鶏の熱死や産卵成績の低下を避けるため、まず確保すべきは鶏舎の換気などの空調面(換気扇やクーリングパッドなど)と、鶏を水分不足に陥らせないための自動給水機の電力だ。鶏は少しの間であれば餌を食べなくても死なないため、給餌機の稼働は多少の工夫の余地があるかもしれないが、最も取り組みやすいのは鶏舎の照明とみられる。 卵の鮮度を保つエアコンや冷蔵庫の消費電力量も多く、電力不足による稼働状況の悪化で、取引先への納期がずれ込むことを懸念する声も上がっている。非常用自家発電機の導入を検討する動きもみられるが、非常用発電機を常時動かす場合は、保安協会での手続きが必要になる。
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