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AI防疫指針 弱毒タイプの措置追加へ 監視プログラム導入などを明記 2006.11.05発行 農林水産省消費・安全局動物衛生課は10月26日、「高病原性鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針」に追加する弱毒タイプの防疫措置を公表し、11月24日まで一般からの意見を募集(インターネットと郵送)している。その意見を踏まえて家畜衛生部会で審議し、防疫指針を改訂する予定。 昨年、茨城県を中心に発生した弱毒タイプの鳥インフルエンザへの防疫対応は、基本的にはこれまでの「防疫指針」に基づき、殺処分を中心に進められたが、移動制限(原則半径30kmを原則5kmに、制限期間も原則28日を21日)や清浄性確認検査の方法などでは緩和措置が取られた。さらに、処分羽数の増加よって、すぐに殺処分への対応ができなかったため、農場監視プログラムも取り入れられた。 これらの現実的な対応を家きん疾病小委員会で改めて検討し、弱毒タイプの防疫対応として「防疫指針」に追加・明記することにしたもの。 弱毒タイプの防疫対応として追加するのは、(1)抗体のみが確認され、ウイルスが分離されなかった農場のうち、鶏舎ごとにウイルス拡散防止の厳格な飼養衛生管理が確実に実施されていると判断された農場への「農場監視プログラム」の適用(2)弱毒タイプが確認された農場の関連農場で、過去六か月以内に疫学的な関連があると特定された場合の移動の制限や検査の実施(3)移動制限区域の範囲や期間、制限の例外規定――の3点。 「農場監視プログラム」を適用する農場については、『家畜防疫員が、当該農場の鶏舎ごとにウイルス拡散防止のための厳格な飼養衛生管理が確実に実施されると判断した農場』としているが、それ以上の具体的な基準は示しておらず、指針改訂後に通知する「留意事項」で示す予定。 農場監視プログラムを適用した家きんは、早期に処理するものとし、飼養されているすべての家きんが処理された時点で同プログラムは終了する。 同プログラムでは、(1)すべての鶏舎に標識を付したモニター家きん(おとり鶏)を、舎内で偏りがないように1鶏舎30羽以上配置(2)モニター家きんを配置してから2週間後と4週間後に、すべての鶏舎のモニター家きんの臨床検査とウイルス分離検査、血清抗体検査を実施(3)4週間後に実施された検査以降も、定期的に検査を実施C弱毒タイプの感染が確認されてからモニター家きんの検査が実施されるまでの間は、2週間間隔で飼養家きんの臨床検査や1鶏舎30羽以上のウイルス分離検査、血清抗体検査を実施――して、清浄性を確認する。これらの検査からウイルスが分離されたり、ウイルスが存在すると判断された場合、その農場の鶏は殺処分される。経営の再開は、必要な防疫措置が取られ、その後の清浄性確認検査を受けてからとなる。 「農場監視プログラム」の下で飼養されていた家きんは、処理されるまでは原則的に移動が制限される。ただし、病原体の拡散措置が講じられたGPセンターへの卵の搬入や、モニター家きんを配置して4週間後の検査でウイルスの感染が否定され、食鳥処理場へ出荷する家きんの移動は認める。また、家きんの再導入は、飼養されていた家きんがすべて処理され、経営再開への清浄性確認検査が終了した鶏舎や、導入予定以外の鶏舎のウイルス感染が否定されていることを条件にして認める。 「関連農場の検査」は、農場間の感染の広がりを防止するために行なうもので、弱毒タイプの感染が確認された農場へ(1)頻繁に出入りしていた人や車両がある(2)感染確認農場から家きんを導入していた(3)感染確認農場に家きんを出荷していた――などが特定できた関連農場に対して、21日を超えない範囲で家きんの移動の制限を指示したり、検査(1鶏舎10羽以上のウイルス分離と血清検査)ができることにする。 「移動制限区域」については、(1)原則として半径5kmとし、状況によって動物衛生課と協議して半径30kmまで拡大できる(2)設定した半径は清浄性の確認状況に応じて縮小できるほか、農場監視プログラムを適用した農場では、プログラム適用から21日後は農場敷地の範囲まで縮小できる(3)半径5kmの範囲は、行政単位や道路、河川、鉄道などの境界を明示するものに基づいて決める。 移動制限の期間は、最終発生にかかわる防疫措置が完了してから21日以上とし、農場監視プログラムを適用した農場は、農場内のすべての家きんが処理されるまでとする。 制限の例外は、これまでの「防疫指針」の例外措置に基づくことを原則とするが、(1)移動制限区域内の食鳥処理場の再開(2)移動制限区域内の食鳥処理場に直接搬入する移動制限区域内の家きんの移動(3)移動制限区域内で生産された種卵を用いる孵卵業務の再開(4)監視プログラム適用農場への家きんの再導入――については、動物衛生課と協議して例外を設けることができるとしている。この場合の「いつから」などの基準は明示していないため、事例ごとに判断することになる。 移動制限区域内では、清浄性を確認するために、(1)弱毒タイプを確認後、移動制限区域内のすべての家きん農場で、臨床検査と、1鶏舎10羽以上のウイルス分離検査と血清抗体検査を実施する(2)最終発生にかかわる防疫措置が完了からおおむね14日目以降に、同じ検査を実施する――ことにしている。
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