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茨城の監視鶏は焼却処分へ 費用は国と県が負担 予算は約8億2,000万円 2006.02.25発行 茨城県は3月15日、鳥インフルエンザの発生で、監視下に置かれていたウインドレス鶏舎の8農場、約253万羽をすべて焼却処分する計画をまとめた。茨城県畜産協会を事業主体として、関係する養鶏生産者や行政関係者などで構成する清浄化推進検討委員会で早期処理方策などを検討し、これに基づいて監視農場が自主的に処分するために必要な経費に対し助成する。県はこれによって、早期の処分を実現して4月中にも安全宣言を出したいとしている。 監視下に置かれたウインドレス鶏舎の抗体陽性鶏については、おとり鶏の陰性が確認されたことから、農林水産省や県は、食肉や飼料・肥料などへの利用を検討してきた。ところが1月7日に出された厚生労働省の人感染の報告で一気に不安感が高まり、引き受け先が見つからなくなったため、これまでと同じように焼却処分することにしたもの。 ウイルスが検出されたり、抗体陽性が確認された開放鶏舎の農場や、一部のウインドレス鶏舎では、鶏も卵も家畜伝染病予防法(家伝法)に基づいて殺処分され、手当金などが支払われた。農林水産省は、監視下に置かれた農場の鶏は、農場による自主的な処分になるとしていたため、生産者団体や自民党の一部から、家伝法を柔軟に解釈して殺処分対象にできないかとの要望が出されていた。これに対し農林水産省は、鶏をすぐに殺さず、卵も出荷できたことや、ウイルスが検出されない状況になっていることなどから、「家伝法の疑似患畜として解釈、施行するのは難しい」との姿勢を崩さなかった。 このため、茨城県がまとめた早期処分の新しい枠組みは、(社)茨城県畜産協会を事業主体とする「高病原性鳥インフルエンザ緊急対策事業」の中で行なうことにしたもの。具体的には監視プログラム対象の4業者8農場や県内生産者、市町村や県、関係団体などの代表よる「清浄化推進検討委員会」を組織し、地域と一体となって監視鶏群の早期処理方策などを検討する。これに基づいて各農場が自主的に早期出荷する場合に必要となる経費や、殺処分、焼却などに要する経費を県畜産協会を通じて助成する。予算は約8億2,000万円で県と国が半分ずつ負担する。 県は2月下旬に「清浄化推進検討委員会」を組織し、3月中には鶏の処分を完了、4月中には安全宣言を出したいとしている。 生産者の一部には、家伝法による殺処分の場合は、手当金に加えて、互助基金に加入していると基金の経営支援金も受け取れたのに対し、新しい枠組みは事実上の殺処分であるにもかかわらず助成額が少ない、との不満があるとも言われるほか、すぐに安全宣言を出して正常ローテーション化を求める要望も出ているようだ。
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