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卵価基金基準価格 7月から159円へ引き上げ 7月の補てんは5円 2004.08.15発行 卵価基金の補てん基準価格が、年度途中の7月分から159円に引き上げられる。コスト割れで厳しい経営環境にある加入生産者にとって、7月の補てん金5円は、干天の慈雨ならぬ一滴か…。 全農系の全国鶏卵価格安定基金と全鶏連系の全日本卵価安定基金は、6月下旬の通常総会前に、それぞれ評議員会、理事会を開き、年度当初に決めた142円の補てん基準価格を、7月から159円に引き上げたいとの方針をまとめ、農水省と折衝していた。 16年度の基準価格が、前年度を26円も下回る設立以来最低の142円で決まったのは、昨年から続いた卵価低迷が今年も継続すると予想され、2年連続の財源枯渇を避けたいとの意向が強かったため。 これに対し生産者からは「一番厳しい経営環境にあるときに、142円では補てんが発生しないし、積立金も積めない」との強い不満が噴出した。両基金は4月下旬以降に鶏卵需給と価格が急速に回復したことから、基準価格を適正水準に引き上げても健全運営ができるとして、農水省と折衝を開始していた。 基準価格の年度途中での引き上げは、昭和48、49年の石油ショックによる狂乱物価時に2年連続で行なわれたことがある。しかし当時は、生産者と生産者団体の積立金のみで運用されており、国の補助金が出るようになった昭和50年度以降では例がない。 引き上げ要請に対して農水省は、年度途中での改定にはそれなりの理由づけが必要だ――との慎重な姿勢であった。特に年度当初の基準価格を、仮に期中改定するとなると、その理論的裏付けや、引き上げる算定根拠、財源を含めた健全な基金運営などを心配し、鶏卵需給と価格動向の推移を見守っていたが、8月4日付で承認した。 ただ、生産者にとっては、4月と7月の2回にわたる配合飼料価格の値上げでコストアップになっていることや、年度当初の基準価格そのものが、鳥インフルエンザの風評被害などで混乱した異常事態の中で決めざるを得なかったなど、142円そのものに問題があったのも事実である。 卵価(全農東京M基準)は4月以降に回復したとはいえ、1〜7月の平均は142円で、前年同期を8円も下回る大幅なコスト割れのため、依然厳しい状況に置かれていることに変わりない。卵価基金の基準価格が改定されたことによって、加入生産者の期待した補てん金の支払いは7月分から実施されるが、それでもまだ、干天の慈雨には程遠い。
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