IoT技術活用の遠隔監視システム 中村養鶏場に導入 NTT東・茨城支店

ギガらくWi-Fiの設置㊤。温度や湿度などのデータをクラウドに自動送信する送信機㊥。IoTカメラの画像もスマホなどで随時見られる㊦

東日本電信電話㈱(NTT東日本)茨城支店(松本健一郎支店長―茨城県水戸市)は10月22日、鶏舎の温度・湿度・照度などのデータを自動収集してスマートフォンやパソコンで見られるようにする『eセンシングForアグリ』とクラウドサービス『ギガらくWi-Fi IoTサポートオプション』を今年7月から㈲中村養鶏場(中村強社長―茨城県小美玉市)に設置し、大幅な人手の削減と生産性の向上を実現したと発表した。

畜産現場では近年、深刻な人手不足の中で、24時間体制での温度管理や、夜間にセンサーが作動した際の確認作業、防犯対策などが大きな負担になっていることから、NTTのWi-Fiやセンサー、カメラを使ったIoT技術で課題解決を図ったもの。

『eセンシングForアグリ』では、3棟の鶏舎の各2か所に温度・湿度センサーとデータの送信機、離れた場所にある事務所に受信機を設置し、クラウドストレージサービス「フレッツ・あずけ~る」(NTTのデータ保管サービス)に自動収集するように設定。収集したデータを、農場から離れた場所にあるスマホやパソコンで確認できるようになり、確認作業などに伴う肉体的・精神的負担が大幅に軽減されたとのこと。猛暑となった今夏は、舎内温度が35度C以上になるとアラート(警報)がスマホにメール送信されるようにしたため、センサー作動時のサイレンも不要になった。温度のほか湿度や照度についても、任意の設定が可能とのこと。温度・湿度・照度以外の情報の自動収集についても、ニーズを把握しながら検討するとしている。

『ギガらくWi-Fi IoTサポートオプション』では、ネットワークにつながったカメラを農場入り口と事務所外側の2か所に設置し、映像を事務所で見られるようにすることで、防犯対策を強化。Wi-Fiを導入したことで事務所内の通信環境も良くなったとのこと。

中村養鶏場は「温度測定に人手を割く必要もなくなり、防犯面でも事務所や農場の様子をスマートフォンでいつでも確認できるようになった」と評価している。