HPAI防疫対策会議で危機意識を共有 福島県養鶏協会

福島県養鶏協会(三品清重会長)は10月8日、JR福島駅近くのキョウワグループ・テルサホール(福島テルサ)で『令和3年度高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)等の防疫対策会議』を開催した。

会議には23人の会員生産者が参加。県農林水産部畜産課と県中央家保の各職員、㈱ピーピーキューシーの白田一敏代表(獣医学博士)の講話後に質疑応答との形式で進められた。

県畜産課は「昨シーズンのHPAI発生状況」と「改正飼養衛生管理基準」について情報提供。続いて県中央家保が「県における防疫対策の取り組み」を説明し、白田代表が「昨シーズンのHPAI発生県(発生現場)の課題と対応」のテーマで、現地で知り得た実情を話した。

参加者は各講話を通じて、①昨シーズンは昨夏にシベリアで検出されたH5N8亜型ウイルスがユーラシア大陸東西で猛威を振るった②国内18県52事例で発生し殺処分羽数は過去最大に(国内飼養羽数の約3.1%に当たる約987万羽)③殺処分羽数の約50%が大規模農場で約26%が密集多発型④「埋却地等の確保」「家きん舎ごとの飼養衛生管理者の配置」「大規模農場における発生時の対応計画の策定」を盛り込んだ飼養衛生管理基準の改定がなされた⑤万一の発生時は農場での早期封じ込めとまん延防止の徹底が必要⑥県では平時から県AI対策本部組織内の連携を確立し建設業協会など多方面の業界とも連携体制を構築している――ことなどについて認識を深めた。

また発生現場では想定外の出来事が起きて作業が遅れることもあるため、臨機応変な対応が非常に重要と認識。作業が遅れるほど被害拡大につながるとの危機意識も共有。

さらに質疑応答では主に埋却地等の確保に関して、「近隣住民の理解醸成」や「試掘結果による代替地確保」など、普段からの不安点を生産者と県が協力して準備・対応していくことを確認した。

福島県内では例年より早い10月6日にハクチョウの飛来が確認され、本格的な鳥インフルエンザシーズンを迎えている。参加者からは「防疫と危機意識の強化のためにも非常に有意義な会議となった」との声が聞かれた。