9月も内食需要は堅調推移

新型コロナウイルス感染症の影響により、内食需要は堅調に推移し、量販店などでの食料品販売の伸びが続いている。外食の苦戦は長引き、特にオフィス街や繁華街の店舗、飲酒業態は厳しい。ただ9月後半の4連休には前年並みまで持ち直す店舗もみられた。

食品スーパー3団体総売上高1.0%増 9月下旬からは鍋物需要も

(一社)全国スーパーマーケット協会など食品スーパー3団体(合計270社・8019店舗)の9月の総売上高は、前年同月比1.0%増(既存店ベース)の9226億5285万円となった。

このうち畜産品は好調を維持し5.6%増の1077億2947万円。9月上旬の週末にはステーキや焼き肉用など高級商材の動きが良く、下旬は鍋物需要によって鶏肉と豚バラ肉が好調。ハム・ソーセージは運動会の規模縮小や中止の影響で不調。卵や乳製品、冷凍食品、チルド商品などの日配品は2.9%増の1840億17万円だった。

主要地域生協8か月連続で増収 日本生協連

日本生活協同組合連合会は、全国65の主要地域生協の総供給高(売上高)が8か月連続で前年を上回ったと発表した。

9月の総供給高は前年同月比9.4%増の2409億5500万円で、うち宅配が13.0%増の1579億500万円、店舗販売が3.5%増の779億5800万円。

鶏肉の好調などで畜産品5.4%増 チェーンストア協

日本チェーンストア協会が公表した9月の大手チェーンストア販売概況(会員56社・1万851店舗)によると、総販売額は前年同月比4.6%減(既存店ベース)の1兆150億5425万円、このうち食料品全体では1.0%増の7088億5636万円となった。

畜産品は5.4%増の835億4073万円で牛、豚、鶏肉が好調。鶏卵やハム・ソーセージも良かった。このほか冷凍食品、鍋物関連食品、調味料、珍味などが好調。弁当や寿司はまずまず。飲料や和菓子の動きは鈍い。ペットフードは厳しかった。

コンビニは7か月連続減 フランチャイズ協

コンビニエンスストア7社(5万5852店舗)で組織する(一社)日本フランチャイズチェーン協会の9月の売上高(既存店ベース)は、前年同月比3.0%減の8667億800万円。

来客数は11.1%減の12億6268万6000人で、売上高、来客数ともに7か月連続のマイナス。平均客単価は9.0%増の686円で12か月連続のプラス。

部門別の売上高では、弁当や卵、加工肉、ホットスナック、生菓子などの日配食品が7.5%減。生菓子を除く菓子類や飲料などの加工食品が6.9%減。サービスが28.8%減。非食品は今年10月のたばこ税増税前の駆け込み需要もあり10.4%増となった。

4連休に持ち直す外食店も フードサービス協

(一社)日本フードサービス協会の9月の外食市場動向調査(新規店含む全店ベース、3万8669店舗)では、外食全体の売上高は前年同月比14.0%減、店舗数2.7%減、客数17.0%減、客単価3.7%増となった。市場環境は厳しいが、月後半の4連休には前年並みの実績に回復する店舗もみられた。

ファストフードの売上高は4.5%減。このうち洋風ファストフードは3.3%増。和風ファストフードは高単価品を投入したがオフィス街などの客足が戻らず7.2%減。

居酒屋は47.2%減、パブ・ビアホールは55.6%減。企業・団体の大規模宴会が『ほぼ皆無』の状態が続いている。

ファミリーレストランは19.7%減で、月後半には客足の緩やかな回復も。ディナーレストランは28.7%減だが、少人数での会食需要を受けて回復傾向にある。

おせち予約の滑り出し好調 日本百貨店協会

(一社)日本百貨店協会は9月の売上高(73社・196店)について、既存店ベースで前年同月比33.6%減の3340億4842万円と発表した。食品は13.4%減の891億7963万円で、うち生鮮食品は7.7%減の183億2940万円、総菜は14.3%減の220億6873万円、菓子は17.4%減の219億8640万円。

東京都内では、各社が取り組むEC(Eコマース、ネット通販)での物産展や催事が想定以上に好評。月後半に始まったおせちの予約は、新しい生活様式を反映して好調な滑り出しとなっている。