5月食品販売 スーパー好調、コンビニ減少

畜産好調も総菜は不調 食品スーパー3団体

(一社)日本スーパーマーケット協会など食品スーパー3団体は、合計270社・8024店舗の5月の販売実績を公表した。

消費者の内食志向や、観光の自粛、学校給食の中止などがスーパーにとっては追い風となり、総売上高は前年同月比9.8%増(既存店ベース)の1兆9億7962万円まで上昇。同協会によると、12月以外での売上高1兆円超えは初めて。特売を自粛する店舗もあり、客単価の高さが維持されている。

食品合計の売上高は11.0%増の9102億1820万円で、うち畜産品は17.5%増の1231億8797万円。卵や乳製品、冷凍食品などの日配品は11.8%増の2010億4261万円。その一方で、行楽や行事中止の影響を受けた総菜は2.2%減の906億9692万円。

鶏肉や豚肉商品では前月に続き、ギョーザ用のひき肉が特に好調。総菜は3月から前年割れが続いているが、家飲み機会の増加でおつまみ系総菜は動いている。一部では生食を敬遠する消費者もみられ、寿司類は好不調が分かれているという。

総売上高が最も伸びた地域は関東(12.4%増)で、次いで中部(11.1%増)、中国・四国(10.7%増)、北海道・東北(10.3%増)、近畿(6.8%増)、九州・沖縄(2.2%増)。

3団体は5月の概況と今後について「5月中旬以降は緊急事態宣言が順次解除され、在宅勤務の緩和などポストコロナの生活が始まった。在宅時間の減少などへの対応が求められる」としている。

畜産品販売好調 チェーンストア協

日本チェーンストア協会が公表した5月の大手チェーンストア販売概況(会員56社・1万798店舗)によると、衣・食・住の関連品やサービス関連などの販売額は前年同月比1.3%増(既存店ベース)の1兆833億5519万円となった。

食料品全体は9.1%増の7642億6676万円で、うち畜産品は15.9%増の959億753万円。鶏卵、鶏肉、豚肉、牛肉、ハム・ソーセージのすべてが好調で前月比でも2.3%増と伸びた。衣料品は各カテゴリーとも前年から3割以上の下落。家具や家電製品、サービス関連も前年を下回った。

コンビニ客足戻らず3か月連続の減収に フランチャイズ協

コンビニエンスストア7社(5万5769店舗)で組織する(一社)日本フランチャイズチェーン協会は5月の売上高(既存店ベース)について、前年同月比10.0%減の8095億7800万円になったと報告した。減収は3か月連続。依然、在宅勤務と外出自粛の影響で客足が遠のいている。

来客数は19.9%減の11億5696万1000人。平均客単価は、酒類や冷凍食品のまとめ買いなどを受けて12.4%増の700円。

部門別の売上高では、弁当や卵、加工肉などの日配食品が12.5%減、菓子や飲料などの加工食品が9.5%減、非食品が5.8%減、サービスが18.7%減。

外食の売上高は約3割減少 フードサービス協

(一社)日本フードサービス協会は5月の外食市場動向調査(新規店を含む全店ベース、3万8059店舗)の結果について、全体の売上高が前年比32.2%減になったと発表した。

緊急事態宣言が5月14日に39県で解除されたが、大消費地の大阪では21日、東京や北海道では25日まで延期されたことで、多くの店舗が時短営業や臨時休業を継続。全面解除後も繁華街や、夜間、休日などの客足が戻らなかった。

持ち帰りメニューの有無が業態間の明暗を分け、洋風ファストフードの売上高は前年同月比10.9%増。ただ和風や麺類、回転ずしなどを含めたファストフード全体では前年比9.3%減。

持ち帰り対応に不向きな居酒屋は88.5%減、ディナーレストランは71.5%減。パブ・ビアホールは95.9%減と厳しい状況。

ファミリーレストランもテイクアウトを強化したが49.4%減、喫茶は66.8%減。

全体の客数は37.5%減。客単価は8.5%増となった。