4~6月期配合飼料価格 全農はトン約800円値下げ

円高などが主な要因

JA全農は3月19日、令和2年4~6月期の配合飼料価格について、飼料原料や為替の情勢を踏まえて、全国全畜種総平均でトン当たり約800円値下げすると発表した。ホクレンは約1000円の値下げ。大手商系メーカーも値下げを発表している。

今回の配合飼料価格の値下げの要因は、円高によるトウモロコシと大豆かす価格の値下がりなど。改定額は地域別・畜種別・銘柄別に異なる。全農が発表した飼料情勢は次の通り。

▽飼料穀物=トウモロコシのシカゴ定期は、12月には380セント/ブッシェル前後で推移していたが、米中貿易協議が進展するとの期待感から1月には390セント/ブッシェル前後まで上昇。その後、南米産の順調な生育により豊作が見通されていることや、新型コロナウイルスの感染拡大による需要減退の懸念から下落し、現在は370セント/ブッシェル前後となっている。また、シカゴ定期に加算される内陸産地からの集荷コストなどは輸出需要が南米産から米国産にシフトしていることから上昇している。今後は、南米産地の作柄と米国産新穀の作付面積や作付け時の天候に左右されるが、世界的にトウモロコシの需給は安定していることから、現行水準で推移するものと見込まれる。

▽大豆かす=大豆かすのシカゴ定期は、米中貿易協議が進展するとの期待感から、12月から1月にかけて330ドル/トン前後で推移していたが、南米産大豆の豊作見通しや新型コロナウイルスの感染拡大による大豆需要の減退懸念などから320ドル/トン前後まで値下がりした。その後、アルゼンチンが大豆かすの輸出税引き上げを発表して需給が引き締まるとの見込みから上昇し、現在は330ドル/トン台となっている。国内大豆かす価格は、為替の円高とシカゴ定期の値下がりなどにより、値下がりが見込まれる。

▽海上運賃=米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、11月には50ドル/トン台前半で推移していたが、排出ガス規制対応で設備の導入工事に入る船が増加したことによる船腹需給の引き締まりから、12月には55ドル/トン前後まで上昇した。その後、原油相場が軟調となったことや、鉄鉱石の輸送需要が一段落し船腹需給が緩和したことから下落するものの、南米産大豆の輸送需要が増加することから上昇し、現在は45ドル/トン前後となっている。今後は、南米産大豆の輸送需要が本格化することから、海上運賃は堅調に推移すると見込まれる。

▽外国為替=外国為替は、12月には109円台で推移していたが、好調な米国の経済指標を背景に円安が進み、一時112円台をつけた。その後、新型コロナウイルスの感染拡大による景気悪化懸念により世界的に株価が暴落したことなどから、102円前後まで急激に円高が進んだ後、現在は106円前後となっている。今後は、新型コロナウイルスの感染拡大により、世界経済の先行きは極めて不透明であり、一進一退の相場展開が見込まれる。

配合飼料価格改定の動向