2020/21穀物年度 トウモロコシ供給量は過去最高 米農務省の5月予想

大豆、大豆ミールも増加

米国農務省(USDA)は5月12日、農産物需給予測月報(WASDE)を公表し、今秋収穫する2020/21穀物年度(20年9月~21年8月)産農産物の今年最初の需給予測を出した。

米国産トウモロコシの作付面積は前年度比730万エーカー増の9700万エーカー、1エーカー当たり単収は10.7ブッシェル増の178.5ブッシェル、生産量は23億3200万ブッシェル増で過去最高の159億9500万ブッシェル(約4億629万トン)、期初在庫・輸入量と合わせた総供給量は21億9000万ブッシェル増で過去最高の181億1800万ブッシェルと予測。前年度は春先の大雨や洪水など、天候不順に見舞われたが、今シーズンは生産に適した気象条件が期待されている。なお、世界のトウモロコシ生産量も過去最高になると予想している。

需要面では、飼料その他向けは前年度比3億5000万ブッシェル増の60億5000万ブッシェル、輸出量は3億7500万ブッシェル増の21億5000万ブッシェル(約5461万トン)。エタノール向けについては、18/19年度が53億7800万ブッシェルだったのに対し、19/20年度は直近の新型コロナウイルス対策による燃料需要の激減を反映し、前月予想から1億ブッシェル下方修正し49億5000万ブッシェル、20/21年度は回復を見込んで52億ブッシェルとしている。

これらの見通しが実現すれば、20/21年度の期末在庫量は前年度比12億2000万ブッシェル増で1987/88年度以来の高水準となる33億1800万ブッシェル、期末在庫率は約7ポイント増で1992/93年度以来の高水準となる22.4%。平均農家販売価格は潤沢な供給と在庫を反映し、40セント安の3ドル20セントになると予想している。

20/21年度の米国産大豆の作付面積は、前年度比740万エーカー増の8350万エーカー、1エーカー当たり単収は2.4ブッシェル増の49.8ブッシェル、生産量は5億6800万ブッシェル増の41億2500万ブッシェル(約1億1226万トン)、期初在庫・輸入量と合わせた総供給量は2億3900万ブッシェル増の47億2000万ブッシェル。

需要面では、搾油量は500万ブッシェル増の21億3000万ブッシェル、輸出量は中国が一昨年来のアフリカ豚熱の被害を経て豚の飼養頭数を徐々に回復させていることなどから3億7500万ブッシェル増の20億5000万ブッシェル(約5579万トン)。期末在庫量は1億7500万ブッシェル減の4億500万ブッシェル、期末在庫率は約6ポイント減の9.4%減少するが、平均農家販売価格は30セント安い8ドル20セントと予想している。

大豆ミールについては、世界の生産量が前年度比859万トン増の2億4605万トン、輸出(国際貿易)量が30万トン増の6739万トン。米国の生産量が22万トン増の4556万トン、輸出量が32万トン減の1188万トン、1ショートトン当たりの大豆ミール価格が前年度比10ドル安の290ドルになるとしている。