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カンピロのリスクファイル改訂へ 鶏肉の生産・処理・流通段階での取り組みが重要 食品安全委員会

2018.04.15発行
 内閣府食品安全委員会は3月26日、第75回微生物・ウイルス専門調査会(部会長=脇田隆字国立感染症研究所副所長)を開き、2006年10月に作成した「食品健康影響評価のためのリスクファイル〜鶏肉を主とする畜産物中のカンピロバクター・ジェジュニ/コリ〜」の改訂について審議した。
 「食品健康影響評価のためのリスクファイル〜鶏肉等におけるカンピロバクター・ジェジュニ/コリ〜」の改訂案の目次は、
 概要
 1、対象の微生物・食品の組み合わせ(@対象病原体A対象食品B対象病原体の関連情報)
 2、対象病原体による健康危害解析(@引き起こされる疾病の特徴A用量反応関係B食中毒発生状況)
 3、食品の生産、製造、流通、消費における要因(@国内A海外)
 4、対象微生物・食品に対するリスク管理の状況(@国内でのリスク管理措置の概要A諸外国でのリスク管理措置の概要Bリスクを低減するために取り得る対策の情報)
 5、リスク評価の状況(@食品安全委員会のリスク評価A諸外国のリスク評価等)
 6、問題点の抽出および今後の課題
 7、おわりに
――で、参考資料なども加えると120ページになる。
 26日の同調査会では、事務局からこれまでの修正点が説明された後、「6、問題点の抽出および今後の課題」と「7、おわりに」などについて審議され、委員からの意見などを踏まえて修正点は座長に一任し、修正後に食品安全委員会に報告することになった。
 平成29年に発生した食中毒の病因物質別事件数ではカンピロバクターが1位となっているが、農場段階や食鳥処理場段階での効果的な低減策はないのが現実。同調査会でも、日本での定量的な汚染実態を把握し、基礎的な研究を進め、その上で効果的な取り組みが必要だとしている。
 同調査会に示された「問題点の抽出および今後の課題」「おわりに」の原案の内容は次の通り(調査会の意見を踏まえて今後、一部修正される予定)。
     ◇
問題点の抽出および今後の課題
 食品安全委員会は、2009年に自らの判断で食品健康影響評価「鶏肉中のカンピロバクター・ジェジュニ/コリ」を実施した。
 食品健康影響評価では、想定される対策として、@農場汚染率の低減A食鳥処理場での汚染・非汚染鶏群の区分処理B食鳥処理場での冷却水の塩素濃度の管理の徹底C鶏肉の生食割合の低減D鶏肉の加熱不十分割合の低減E調理器具・手指を介した鶏肉からの非加熱食品への交差汚染の低減――の6種類の対策およびそれぞれの対策を組み合わせた場合のリスク低減効果を推定した。
 推定結果を踏まえ、食中毒低減に向けた対策として、各対策の実現に向けた早急な具体的な対応、非汚染鶏肉を加熱用と区別して生産、処理および流通させるシステムの開発などとした評価結果をまとめた。
 また、解析結果(リスク特性解析)において、食肉処理場における汚染率・汚染菌数の把握、菌量反応関係および発症率の把握などが、今後の定量的リスク評価に向けた課題などとした。
 カンピロバクターによる鶏肉などの汚染を減少させ、食中毒を減らすためには、引き続き、生産段階での衛生管理やバイオセキュリティの徹底(家畜伝染病の侵入防止のためのバイオセキュリティ対策は、ある程度、カンピロバクターの侵入防止にも役立つ)、食鳥処理場での一般衛生管理およびHACCPシステムが適切に実施されることが重要である(例…湯漬水の温度の確認、内臓破損を最小限にするための中抜き機の調整、内外洗浄機で洗浄水が確実に中抜きと体を洗浄しているかの確認、チラー水の塩素の濃度、pH、換水量の確認など)。
 その上で、食品安全委員会微生物・ウイルス専門調査会は、2009年の食品健康影響評価を踏まえ、1〜5で整理した現状から問題点を抽出し、以下のとおり整理した。
 〈問題点の抽出〉
 (1)定量的な汚染実態の把握が不十分である。
 @カンピロバクター属菌の菌の特性上(微好気性菌であること、VBNCといった環境中での生存性および感染環を完全に把握できていないことなど)、コントロールするのが難しい。
 A保菌している鶏自体は発症することなく、宿主との共生関係を保っているため、生産段階での鶏の生産性にはほとんど影響を及ぼさない。
 B検査法が統一されていない。
 Cフードチェーンに沿って、同一の検査法で継続的に調査された結果(ベースラインデータ)がない。
 DHACCP導入前後の汚染実態の変化が把握されていない。
 (2)カンピロバクター食中毒が減っていない。
 ●加熱用として流通・販売されるべき鶏肉の生食または加熱不十分な状態での喫食が行なわれている。
 @事業者および消費者に加熱用鶏肉の生食などによる食中毒のリスクが十分に伝わっていない。
 A食中毒の発生防止のための鶏肉における推定汚染菌数が把握できていない。
 B非汚染鶏肉を区分して製造することについて、インセンティブがない。
 ●効果的に鶏肉の菌数を下げることが困難である。
 @生産段階
 ・鶏は感染しても症状を示さない。
 ・決定的なリスク管理措置が見つからない。
 ・陰性鶏群を生産しても、経済的メリットがない。
 A食鳥処理・流通段階
 ・迅速かつ簡易な検査法がなく、区分処理が困難である。
 ・汚染鶏、鶏肉により容易に交差汚染が起こる。
 ・国産鶏肉は、冷凍よりも冷蔵流通が主体である。
 〈今後の課題〉
 食品安全委員会微生物・ウイルス専門調査会は、これらの問題を解決するためには、今後、次のような課題について取り組んでいく必要があると整理した。
 (1)モニタリング計画の策定および実施
 @迅速、簡便な検査方法の開発を進める。
 A精度管理された検査法を統一的・画一的に実施する。
 Bフードチェーンの各段階(生産、食鳥処理、流通)における定量的かつ継続的なモニタリングを実施する。
 (2)効果的なリスク管理措置の導入および実施
 @新たなリスク管理技術の開発を進める。
 ・食鳥処理場におけるHACCP導入前のCCPの妥当性確認および実施後のCCPの効果検証を実施する。
 A農場における衛生対策を実施する。
 さらに、これらの課題に対する取り組みが進んだ結果、十分なデータや知見が収集された場合、食品安全委員会に求められるリスク評価を整理した。
 「(1)モニタリング計画の策定および実施」関連
 @消費段階までに食中毒が発生しないと推定される菌数を明らかにする。
 A菌数が多い汚染鶏肉の流通割合を減らすための菌数目標値およびそのサンプリング計画を策定するために定量的なリスク評価を実施する。
 「(2)効果的なリスク管理措置の導入および実施」関連
 生産、食鳥処理、流通の各段階におけるリスク低減対策の効果の定量的な推定を行なう。
 なお、推定を行なうにあたり、リスク評価後の考え得る状況において、想定し得るリスク低減策として、
 ・定量的リスク評価を踏まえた、生食の提供を行なわないこと、加熱の表示・掲示の徹底
 ・定量的リスク評価を踏まえた、流通段階における汚染低減目標の設定
 ・定量的リスク評価を踏まえた、フードチェーンの各段階における効果的なリスク管理措置の提示
――が挙げられる。
7.おわりに
 カンピロバクターによる食中毒は、依然として、わが国の食中毒の上位(平成29年は事件数首位)を占めており、食品安全の確保に関する施策として最重要事項であるが、生産、食鳥処理、流通・販売、消費のそれぞれの段階での措置や取り組みが必ずしもリスク低減効果を上げるに至っていない。
 食品安全委員会微生物・ウイルス専門調査会は、今後、それぞれの段階での措置や取り組みをより一層効果的に実施するためには、関係者(リスク管理機関、地方自治体、フードチェーンの各段階の関連事業者)が共通の認識を持つため、まずは組織的・計画的に定量的かつ継続的に日本の汚染実態およびヒトの被害実態を把握することが重要であると考えた。
 これを踏まえ、食品安全委員会としては、定量的な汚染実態の把握を進めるために必要な基礎的な研究を行なうこととしており、関係者が本研究結果なども活用して汚染実態の把握を進めることで、データが蓄積されていくことが必要と考えている。
 食品安全委員会は、リスクを広く伝えることにより、効果的な措置や取り組みが実行されるよう、蓄積されるデータを活用し、リスク評価を実施する所存である。



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