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AIを使用した原料選別技術を共同開発 ニチレイフーズと近畿大学 2018.03.25発行 潟jチレイフーズ(大櫛顕也社長―本社・東京都中央区)と近畿大学(大阪府東大阪市)工学部電子情報工学科の竹田史章教授は、このほどニチレイフーズの工場で使用する原料を、人工知能(AI)で選別する技術(特許出願済み)を共同開発したと発表した。 ニチレイフーズでは、原料受け入れ時に金属探知、X線、近赤外線、光学・色彩などの選別技術を活用して、原料の品質保持・管理をしているが、不定形な原料や、混入している夾雑物の位置や角度によって判別の精度が下がるため、選別後に人手や目視による検品が必要になることも多い。 特に、鶏肉では3大夾雑物の「硬骨」「羽根」「血合い」のうち「硬骨」は一般的にX線による選別技術が確立されているが、「羽根」「血合い」の除去には全量を人手や目視で対応せざるを得ないのが状況で、作業者の負担も大きく、目視などでは判別しずらい場合もある。 今回、共同開発した技術では、@原料を撮影し、その画像の夾雑物部分を独自の技術で強調する(照明技術・撮影技術・画像処理技術の組み合わせによる)A強調された画像を特殊な方法で数値情報に置き換える(濃淡ヒストグラムと、人間の脳神経回路をモデルにした情報処理システム「ニューラルネットワーク」の組み合わせによる)B事前に大量のデータを学習させておき、原料の数値情報とマッチングさせる――ことにより、夾雑物除去率が従来比で約1.5倍、処理スピードが約4倍になる。原料だけでなく、製造工程内や完成品の検査にも応用可能。 ニチレイフーズによると、今回の共同開発技術を導入することで、使用する原料の品質保証力が格段に向上するとともに、生産性の向上、労働環境の改善、人手不足への対応、環境負荷の低減なども期待できるとのこと。 同社は「経験豊富な作業者のスキルを記憶させることで、職人技の伝承が可能となり、人の手の感覚や目などの五感を超える精度を持つことが可能となるため、完全自動化につながる技術と言える」としている。 同技術は作業者の経験に頼らず安定した検査が行なえるなど、汎用性に優れていることから、将来的には外部販売も視野に入れている。
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