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世界の飼料生産、2年連続で10億トンを超える オルテックが調査

2018.02.15発行
 オルテック社(ピアース・ライオンズ創設者兼社長―米国ケンタッキー州レキシントン)は1月29日、「2018年オルテック世界飼料調査」の結果を公表した。同調査によると、17年に世界で生産された飼料は前年比2.6%増の10億7000万トンで、2年連続で10億トンの大台を超えた。飼料業界の市場規模は4300億ドルで、過去5年間で13%、1年当たり2.5%成長した。肉、乳、卵の消費が伸びていることが成長の理由とみられる。
 7回目となる今回は144か国、3万か所以上の飼料工場を対象としている。調査では@中国とアメリカの上位2か国が世界の3分の1以上の飼料を生産しているA生産量の増加には養豚用、ブロイラー用、乳牛用の増加と、ヨーロッパとアジア太平洋地域での増加が主に寄与している――ことが分かった。
 17年に飼料生産量が多かった国は中国、アメリカ、ブラジル、ロシア、メキシコ、インド、スペインとなっており、これら上位7か国に世界の飼料工場の54%が存在し、53%の飼料を生産している。

地域別調査結果

 ▽アジア太平洋地域=世界の飼料の35%以上が生産されている。中国の17年の生産量は前年に比べわずかに減少したものの、1億8686万トンで、世界最大の飼料生産国のポジションを保っている。地域全体でみると同3%の増加で、主に養豚用とペット用の増加が寄与している。同地域ではインドの前年比7%の成長と、タイの同8%の成長が大きい。ベトナムは同4%の伸びで、同地域で2番目に大きな養豚用と水産養殖用の飼料生産国となっている。同地域では世界全体の44%の採卵鶏用と、70%の水産養殖用の飼料が生産されている。
 ▽ヨーロッパ=アジア太平洋地域とともに最も成長の著しい地域で、養豚用とブロイラー用、水産養殖用の生産量が増加し、3%の成長となった。同地域をけん引するロシアの生産量は3760万dで、ランキングは前年調査の7位から今回は4位へと大幅に飛躍した。ロシアは今回、養豚用の推定生産量が増えているが、これは民需生産推定量をより多く含めている結果である。また、ブロイラー用の生産量も3%増加しているが、ウクライナ、ルーマニア、英国、ベルギーも生産量が前年より増加していると報告している。同地域はペットフードの生産量が最大である。
 ▽アフリカ=乳牛用とブロイラー用の生産で、世界で最も成長が著しい地域である。同地域の平均生産量は過去5年間に30%増加している(17年調査では成長はみられなかった)。養豚用、乳牛用、採卵鶏用、ブロイラー用の生産量が成長していた一方で、肉牛用と水産養殖用は減少した。また、アフリカは豚と採卵鶏、ブロイラーへの給餌コストが最も高い地域である。ボツワナ、モザンビークといった国々での養豚用、乳牛用、採卵鶏用、ブロイラー用の生産量増加が同地域の成長に寄与した。肉牛用の生産量減少は、ザンビアやモロッコでの減少が反映されたもの。アフリカでは多くの国で水産養殖用の増加が確認されたものの、地域全体としては減少している。これは主に今回ナイジェリアに追い越されたエジプトの生産量が減少したことが理由である。
 ▽北米=アメリカは中国に次いで2番目に飼料生産量の多い国である。北米では、世界の肉牛用飼料の3分の1が生産されている。アメリカとカナダはまた、馬用の生産量が1位と2位である。他地域に比べると、北米は平均飼料価格が低い。
 ▽南米=ブラジルが南米地域では飼料生産をけん引しており世界第3位。ブラジル、メキシコ、アルゼンチンの3か国で同地域の生産量の75%を占める。メキシコは肉牛用と採卵鶏用で地域を先導している。南米は主に水産養殖用と馬・ペット用の飼料生産量の増加で、過去5年間で3番目に高い成長率を誇る。

畜種別のポイント

 養鶏用は、ブロイラー用の生産量が全地域で増加しており、その成長率はアフリカで10%、ヨーロッパで7%であった。ルーマニア、ロシア、ウクライナはそろって顕著な成長をみせ、ヨーロッパの成長に寄与している。一方で、アフリカの生産量増加はエジプト、ウガンダ、モザンビークが支えている。
 養豚用の生産量は、中国とロシアが2017年もけん引していた。多くのアフリカの国、特にケニア、タンザニア、モザンビーク、ウガンダ、ナミビアも増加した。
 乳牛用は、全地域で生産量の増加が確認された。乳製品製造における世界のリーダーのヨーロッパでは、飼料生産量が約2%増加した。アフリカは最も乳牛用の生産量を伸ばした地域であり、その成長率は10%にものぼる。南アフリカ、モロッコ、ジンバブエが前年の報告時よりも大幅に伸びたことに起因する。
 肉牛用は、世界全体の生産量が前年比1%減少した。南米、アフリカ、ヨーロッパでの減少が主な理由。この世界的な下降傾向は近年、業界内でも一般的に感じられたことであるが、より多くの消費者が鶏肉、豚肉、魚肉といったいわゆる『ホワイトミート』を選ぶようになっている傾向の影響と考えられる。
 水産養殖用は、主にヨーロッパとアジア太平洋地域での増加を受け、生産量がわずかに増加。中国は16年、17年と2年連続で5%の減少を報告。これは給餌方法や抗生物質の使用など食の安全に対する政府の制御が影響しているかもしれない。ブラジル、チリ、ペルーが南米、イランが中東地域での飼料生産をけん引している。コイが水産養殖用の対象として最大で、エビ、ティラピアが続く。ナマズ、サーモン、マスも対象魚種として高い位置にランキングされているが、その割合は減少。
 ペットフードは、全地域で力強く成長。中国、タイ、台湾での増加を受け、アジア太平洋地域の生産量は13%増加した。またロシア、チェコ、ルーマニア、ポーランド、ハンガリーも合計58万トン以上を生産、ヨーロッパは前年比17%の増加をみせた。南米ではウルグアイ、エクアドル、エルサルバドル、チリ、アルゼンチンのすべてで生産量が増加、合計で72万5000トンにのぼった。
 オルテック社チーフ・イノベーション・オフィサーのエイダン・コノリー氏は「オルテック世界飼料調査は7回目を迎えた。この調査は飼料業界に貴重な情報を提供している。また、飼料業界の内情を理解するための情報としてだけでなく、農業のバロメーターとして、または調査対象となっている国々の経済力を示すものとしての役割も果たしていると考えている」とコメントしている。



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