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米国のAI被害、採卵鶏3340万羽に オランダから加工卵輸入へ

2015.06.25発行
 6月9日現在の米国のAI発生農場数は「225か所、羽数は4709万羽(うち採卵鶏とみられるのは33か所3340万羽で全米の採卵鶏飼養羽数の約11%、育雛・育成鶏は14か所587万羽、採卵用種鶏は1か所1万9800万羽)に達し、鶏卵産業や地域経済への影響も拡大している。
 米国の鶏卵相場(大口顧客向け週間平均価格)は、卵不足から5月後半に反転し、15日には1ダース246セントに高騰。加工卵相場も上昇を続け、6月第3週の凍結全卵価格は4月末の約3倍、5月末の約2倍に当たる1ポンド229セント(1キログラム約626円)前後で推移している。
 鶏卵不足の影響を“受けていない”とする大手レストランチェーンや量販店もあるが、ひっ迫感は全米に広がりつつあり、米ハンバーガーチェーン大手のワタバーガー(約770店舗)は6月から、午後11時から12時間提供していた朝食メニューを平日は午前5時から9時まで、週末は午前5時から11時までに短縮。価格高騰を受け、卵を使わないメニューを考案するレストランも出てきている。
 業務用卵が不足する中、テキサス州が拠点の小売店、H-E-B(約370店舗)は「州内の全家庭が卵を買えるように」するため、レストランや洋菓子店など商売用の購入を防ごうと、1人当たりの購入量を3パックまでに制限。
 粉卵を使う製パン業界の団体などが「加工卵を輸入すべきだ」と農務省に強く働きかけたことから、同省は以前から輸入を許可しているカナダに加え、衛生基準に合致したオランダのエンソーベン社など5社に米国への加工卵の輸出許可を6月1日付で出した(輸入数量などは未定)。
 現地報道によると、米国全土から家きん製品の輸入を禁止している国は中国、韓国、アンゴラ。
 ウイルスの活動は、渡り鳥が戻る今秋以降に再び活発化するとみられ、各州はバードショーやふれあい動物園での取りの展示などを相次いで禁止したほか、これまでAIが発生していない州も、鶏舎内を泡で満たして鶏を殺処分する装置の購入や道路封鎖の検討を進めるなど、警戒を強めている。米国ハイライン社から潟Qン・コーポレーションに入った情報によると、「鶏卵企業各社も農場から農場への移動制限強化やシャワー室、更衣室などの設置、液卵の流通経路の確認、車両移動経路の変更などに取り組んでいる」とのこと。
 発生件数で全体の約70%を占める七面鳥の農場は、多くが中西部にあり、ハイライン社によると「四半世紀前までは放し飼いが多かったものの、低病原性AIが問題となったため、現在はカーテン式開放舎が多い。カーテンは冬場は閉めるが夏場は全開となる。AIが特に多発しているアイオワ、ミネソタ両州の七面鳥農場は相互に緊密な関係があり、バルク車や作業員が行き来することもあるなど、貿易体制は一般的に厳格なものではない」とのことで、これが感染を広げた一因との見方が出ている。
 農務省は6月10日のWASDA(農産物需給予測月報)にAIの影響を盛り込み、今年の予想鶏卵生産量は前月予想より4.0%少ない79億9400万ダース(前年比4.1%減、1個60グラムとして約576万トン)、来年は前月予想より4.5%少ない81億4100万ダースとした。今年の年間平均卵価(ラージA1ダース・ニューヨーク卸価格)は前月予想より30セント(22.6%)高い163セント前後(前年比20.7セント高)、来年は同8セント(6.0%)高い141.5セント前後で推移するとした。

AI緊急ワクチン 米国、現段階では使用せず

 米国農務省(USDA)は6月3日、AI対応のため職員約400人と民間業者ら2100人以上を同日までに動員し、被害農家への補償として1億6000万ドル(約198億円)分の支払いを確定させたと発表したほか、緊急ワクチンの使用について「別途要件を満たす必要がある」として現段階での使用を否定した。
 同省は、AIワクチンの効果や在庫、経済への影響などを検討し、@在庫ワクチンは発生型と相同性が低く、十分な効果を得られる鶏は接種鶏の60%にとどまるA七面鳥への効果は研究途上にあるB接種鶏群の抗体価を上げるのに十分な量のワクチンが生産できるか確認する必要があるC市場崩壊を避けるため、貿易への影響を考慮する必要がある――と結論づけた。
 貿易への影響については、現時点で前年の輸出額の84%に相当する輸出先国との取引は維持されているとしているが、ワクチン使用に踏み切ると、米国の主要な貿易相手国がリスク分析を終えるまで種鶏や家きん肉、卵などの輸入を禁止する可能性に言及。リスク分析は貿易相手国の要求に対して行なわれる一般的な手続きで、長期間にわたる傾向があるため、輸出機会を失った米国の家きん産業が莫大な損害を被る恐れがあることを説明している。
 ただし、より効果の高いワクチンの開発・生産や、バイオセキュリティの強化、被害農家への補償、国際基準に則り開かれた貿易の維持に向けた支援は続け、このうちワクチンについては、十分な効果が見込める製品が必要量準備できた段階で、貿易への影響を慎重に考慮しながら使用認可を再検討するとした。
 仮に使用する場合は隔離、淘汰、バイオセキュリティの強化などの対応では発生を封じ込められない地域を最優先に、最も効果が見込まれる州と家きん種をターゲットに行なうとしている。



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