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成鶏更新・空舎延長事業の発動基準引き上げを要請 日本養鶏協会が自民党畜・酪小委に

2013.06.25発行
 コスト割れの鶏卵相場が続き、鶏卵生産者経営安定対策事業の『価格差補てん事業』も、このままでは昨年度に続き、8月で補てん打ち切りの可能性が高まっている。(社)日本養鶏協会や(一社)日本鶏卵生産者協会では「早期淘汰による需給の安定、相場の回復が急務」だとして、与党の自民党に平成25年度の『成鶏更新・空舎延長事業』を緊急に見直すことを要請。また、政府に対しては、26年度の政策・予算要求のなかで抜本的に見直し、生産者のためになる養鶏安定制度の確立を要望している。

 (社)日本養鶏協会は6月6日、自民党の畜産・酪農対策小委員会(野村哲郎委員長)に、「鶏卵生産者価格低迷緊急対策」を要請した。
 配合飼料価格の高騰を受け、同委員会が対策を検討するため、日本養鶏協会をはじめ、JA全中、日本酪農政治連盟、全国肉牛事業協同組合、日本養豚協会対策から情勢説明を受けたもの。
 他の団体は、配合飼料価格安定制度の補てん財源不足が深刻になっていることから、その財源確保による満額補てんの実施と、基金の借入金も巨額となっていることから、基金制度の抜本的見直しを求めた。
 日本養鶏協会は、長期にわたる卵価の低迷と最近の飼料価格の高騰によって、鶏卵の価格差補てん事業の加入者が23年度は4件、24年度は51件、25年度は90軒廃業するなど、養鶏農家は非常に厳しい経営環境にあるとし、3項目の緊急対策の必要性を強調した。
 内容は(1)現行の成鶏更新・空舎延長事業の発動基準159円を、価格差補てん事業の基準価格である186円まで引き上げる(2)奨励金の単価を一律300円に引き上げて成鶏更新を促進させる(3)牛や豚のような法的支援に裏打ちされた養鶏安定制度(法制化)の早急に実現する――など。
 日本養鶏協会は、昨年12月から現在までの、横ばいの期間が長い標準取引価格の推移を示しながら、成鶏更新の発動を決める標準取引価格は「極めて硬直的かつ恣意的な価格のため、事業効果のための公正・適正な基準価格としての役割・機能を全く果たしていない」とし、低迷させる卵価を回復させるためには「安定基準価格の発動基準を実質的に価格差補てん基準価格まで引き上げ、迅速な成鶏更新を促すことで需給安定効果を速やかに発揮させる必要がある」と強調した。
 日本養鶏協会の要請は成鶏更新・空舎延長事業が需給安定に効果を発揮し、参加した生産者が不利益とならないようにしてほしいとするもの。

90日を超えたひな導入も奨励金の対象に

 (社)日本養鶏協会は、このほど鶏卵生産者経営安定制度の実施要領の一部を変更し、加入生産者などに通知した。
 この中で、成鶏更新・空舎延長事業の対象鶏舎について、これまでは「成鶏出荷から60日以内にふ化場または育すう業者から採卵用ひなを導入する」としていたが、予期せぬ事故などにより、90日を超えて採卵用ひなを導入した場合も対象として認め、その場合は「理事会でここの事例について審査し、生産局長が特に認めたものを奨励金交付対象とする」ことにした。x



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