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H7N9型鳥インフルエンザが中国で人に感染 鶏肉、鶏卵の風評被害が心配 2013.04.15発行 中国の上海市を中心に浙江・江蘇・安徽の各省でH7N9型鳥インフルエンザウイルスに4月12日現在で38人が感染し、うち10人が死亡した。中国農業省は生鳥市場のハトや鶏、うずらからウイルスが検出されたと発表したが、感染源や感染経路が特定されていないことや、家きんへの感染実態が不明なため、養鶏関係者の間ではわが国への侵入と風評被害を心配する声が広がっている。 H5N1型鳥インフルエンザ(AI)による人への感染例は、2003年11月から今年3月までの世界保健機関(WHO)の集計で、途上国を中心に15か国、622人(うち死亡は371人)。このほかの感染例は、香港で1997年と03年に20人(うち死亡7人)、99年にH9N2型で2人、オランダで03年にH7N7型で89人(うち死亡1人)、カナダで04年にH7N3型で2人、英国で07年にH7N2型で4人、メキシコで2012年にH7N3型で2人――など。H7N9型の感染は今回の中国が初めて。 中国で最初にH5N1型高病原性AIが発生したのは96年の広東省のガチョウ農家、人への感染は北京市で03年11月。FAO(国連食糧農業機関)は中国を高病原性AIが定着している6か国(他にバングラデシュ、エジプト、インド、インドネシア、ベトナム)の1つに位置付けている。 H7N9型は鳥の体内では毒性が低い低病原性とされているが、中国での家きんへの感染実態は分かっていない。中国農業省は今回、生鳥市場のハトや鶏、うずらから同ウイルスが検出されたと発表したが、日本の国立感染症研究所は3種類のウイルスに由来し、人に感染しやすいタイプに変化したものとみている。 養鶏業界としてはH7N9型ウイルスの国内への侵入を防ぐために防疫体制を徹底するとともに、消費者が鶏肉、鶏卵に不安を持たないよう、「鶏肉、鶏卵を食べて鳥インフルエンザに感染した事例は世界的にも報告がなく、わが国の鶏肉、鶏卵は処理場やGPセンターで安全のための適切な措置が講じられている」ことなどを正しく伝えていく必要がある。 また、厚生労働省は4月10日、感染者から分離されたH7N9型のウイルス株が、中国から国立感染症研究所に届いたと発表した。今後は同ウイルス株を用いて、ワクチン株の製造準備など必要な対策を進める。
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