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24年度の補てん基準価格185円に 安定基準価格は158円

2012.04.05発行
 農林水産省は3月22日、(社)日本養鶏協会が事業主体となって実施する鶏卵生産者経営安定対策事業の平成24年度『補てん基準価格』を、23年度の183円を2円上回る185円、成鶏更新・空舎延長事業の発動基準となる『安定基準価格』も同156円を2円上回る158円に決めた。政府の畜産・酪農政策価格に準じて、配合飼料価格などのコスト上昇を考慮して引き上げたもの。卵価の推移によっては、4月早々に成鶏更新・空舎延長事業の発動が予想されている。

 3月22日に畜産・酪農政策価格が決まったのを受け、農水省は、24年度の鶏卵生産者経営安定対策事業の『補てん基準価格』を、23年度の183円を2円上回る185円、成鶏更新・空舎延長事業の発動基準となる『安定基準価格』も2円上回る158円と、2年連続で引き上げた。
 補てん基準価格や安定基準価格は、法律的な裏づけはないものの、農水省生産局長の承認事項になっているため農水省は、24年度もこれまで通り、畜産・酪農政策価格に準じて決めるとしていた。日本養鶏協会と(般社)日本鶏卵生産者協会は、2月の早い段階から、コストの半分以上を占める配合飼料価格が高止まりする一方、光熱費や鳥インフルエンザ対策費が増加し、輸入卵の増加で卵価も低迷して生産者の経営は極めて厳しい状況にあるとして、引き上げを要請していた。
 価格差補てん基準価格が2円引き上げられたことにより、高卵価月の1キログラム当たり特別積立金は次の通りとなる。
 305円以上310円未満 1円
 310円以上315円未満 2円
 315円以上320円未満 3円
 320円以上325円未満 4円
 325円以上       5円
 平成23年度から約52億円の予算で新たにスタートした鶏卵生産者経営安定対策事業は、平成24年度も公募により(社)日本養鶏協会が事業主体となって実施される。農水省は24年度から昇任法人の特例を廃止し、全農系の(社)全国鶏卵価格安定基金や全鶏連系の(社)全日本卵価安定基金は、10月までに日本養鶏協会へ統合され、加入生産者は基金間異動で日本養鶏協会に一本化する意向。補てん事業は、月平均の標準取引価格が補てん基準価格を下回った場合、その差額の9割を補てんするもので、国の補助率は23年度に、これまでの卵価基金の8分の1から4分の1に引き上げられてた。
 24年度の生産者積立金は、前年度と同額の鶏卵1キログラム当たり5円75銭となる見込みで、四半期ごとに契約数量に応じた額を納付することになる。新規加入生産者の別途積立金は、3月末の生産者積立金の残高によって決まる。このほか、事務手数料として鶏卵1キログラム当たり10銭を納付する。
 安定基準価格が引き上げられた成鶏更新・空舎延長事業の発動は、標準取引価格(日毎)が安定基準価格を下回る30日前から、標準取引価格(日毎)が安定基準価格を上回る日の前日まで――となる。
 事業に参加した生産者には、奨励金が支払われるが、奨励金の額は前年度と同額で、大規模生産者(保有鶏舎の収容可能羽数の合計が10万羽以上)には成鶏1羽当たり150円以内、中小規模生産者(同10万羽未満)には同200円以内、事業に参加した成鶏を処理した食鳥処理場には処理羽数1羽当たり17.4円となっている。



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