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殻付卵輸入 震災による卵価上昇で増加 夏場の卵価動向に影響

2011.06.25発行
 東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所の事故で、国内の鶏卵需給が混乱し、鶏卵相場も乱高下した陰で、殻付卵や液卵、粉卵などの輸入量が増加している。震災の影響で国産鶏卵の供給減と高卵価が続くとみた食品メーカーなどが、原材料価格の平準化を目的に輸入卵を手当てしたためだ。国内の生産が急ピッチで回復する中で、消費の低迷が続き、鶏卵相場は6月13日に東京、名古屋、大阪(M加重平均)の各市場で185円にまで下落した。これから夏場に向かって、加工筋の買い支えがなければ、相場はさらに下がるのではないかと懸念されている。

 殻付卵(食用)は2月のポーランドに続いて、4月にも米国から輸入された。輸入関係者によると、米国産は5月から6月にかけて1000トン前後、ポーランドなどの欧州産は7月以降に数百トン程度が再度輸入され、秋までに合計2000〜3000トンが輸入されると予想されている。
 凍結液卵ではなく殻付卵で輸入するメリットは、食品メーカーなどがペール(14キログラム程度のプラスチック容器)の解凍に要する手間や設備が不要になることと、割卵する国内の液卵メーカーも工場の稼働率を下げることなく生産できること。
 デメリットは価格が逆ザヤになりかねないこと。ポーランド産は別にしても、6月初旬時点の日米の卵価から米国産殻付卵の価格を試算すると、円高メリットを考慮しても米国中西部などの鶏卵生産地から西海岸の輸出港までの鉄道輸送費、日本までの船賃、関税(殻付卵は17%)、倉庫保管料などの諸費用を加算した時点で、国産鶏卵よりキロ当たり50円近い割高になっているとみられる。国内の鶏卵相場の急落で現在は逆ザヤだが、高騰すると、再び輸入卵が入ってくる可能性が強い。
 国産液卵を購入している製菓・製パン大手は、原材料価格が上昇しても製品の販売価格を引き上げることが非常に難しいため、より安価な原材料を探さざるを得ないとしている。また、輸入卵の「価格の安定性」に注目している食品メーカーもあり、今後も凍結液卵(全卵や卵黄など)、粉卵の輸入量は増加傾向で推移していくとみられる。
 起泡性の問題から、国産液卵の利用が多い大手洋菓子メーカーからも、「震災による非常事態とはいえ、相場がここまで乱高下すると、経営計画が非常に立てにくくなる。輸入液卵は高いが、価格水準は安定し、品質も決して劣っていないため、諸事情が許すのであれば使用量を増やしたい」との声も聞かれる。
 昔から、卵価の内外価格差が2倍以上になると、殻付卵輸入の可能性が出てくるとされている。ただ、現在の米国の卵価は、飼料高などから1ダース当たり1ドル前後で堅調に推移している。欧州もAIの散発的な発生に加え、EU加盟国は来年1月からケージ飼養が禁止されるため、飼養羽数が徐々に減少し、生産量も減っている。ブラジルも所得水準の向上に伴って卵の価格が右肩上がりに上昇しているため、日本に着いた時点で国産品より安い輸入卵を探すことは至難の業になっている。
 国内の鶏卵生産は、急ピッチで回復する一方、需要は震災後の自粛ムードが尾を引いて、例年より1割程度落ちているため、鶏卵相場は急落した。今夏は輸入卵の増加も足カセとなってさらに値下がりすることが懸念されている。



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