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和歌山、三重でもAI 6県、18農場、136万羽が被害 2011.02.25発行 高病原性鳥インフルエンザ(AI)ウイルスの本来的な宿主であるカモやツルなどの野鳥でAI(H5N1亜型)ウイルスが全国的に確認され、鶏への被害も止まる気配が見られない。今年に入って2月18日までに6県、18農場で鶏がAIに感染し、約136万羽の鶏が殺処分され、多大な被害を被っている。 宮崎県では、2月に入っても鶏へのAI感染が止まらず、18日現在で12農場、約95万羽が殺処分された。さらに愛知県でも2例目(新城市、肉用・採卵用種鶏)の感染が確認され、新たに和歌山県(紀の川市、採卵鶏)、三重県(南牟婁郡紀宝町、肉用鶏)でも感染が確認されている。 死んだ野鳥などからAIウイルスが確認されているように、野鳥の間で感染が繰り返されて高濃度なAIウイルス量となり、それらの野鳥が全国各地を飛び回って糞などとともにウイルスを撒き散らしているため、AIウイルスの本来的な宿主ではない『鶏』がいつ、どこで感染してもおかしくない状態になっていていることが、今年のAI発生の最大の特徴だ。 養鶏生産者は、人や車両、野鳥や野生動物、飲用水や飼料汚染によるウイルスの農場・鶏舎への侵入防止を徹底するほか、鶏舎内外の整理・整頓・清掃を行なってネズミや野鳥の繁殖場所をなくし、さらに飼養管理では作業衣、靴などの取り替えはもとより、消毒を徹底することがこれまで以上に重要だが、完全に防ぐことは難しい。 今年のAIの発生では生産農場だけでなく、移動制限区域に入った種鶏孵化場、GPセンター、食鳥処理場などの経済活動の停滞も大きな問題である。移動制限区域を欧米並みの半径3キロメートルにするなど、防疫指針の見直しも急務だ。 政府は、今国会に提出予定の家畜伝染病予防法の改正案で、感染の拡大防止策として、発生農場周辺の健康な家畜でも予防的に殺処分できることや、発生の通報が遅れたり、消毒などの適切な衛生管理や予防措置を怠った場合は、殺処分手当てはもとより、補償も支払わないとか、減額するなどの罰則を設ける方向で検討している。さらに、これまで家伝法の対象外の野鳥なども、生息地周辺の消毒などができるようにしようとしている。 ただ、改正案は養鶏業界の意向を聞いてまとめられたものではない、このため養鶏関係者の多くは、AIウイルスの本来的な宿主(野鳥)対策が中途半端なままで、いたずらに罰則規定だけを厳しくし、責任を一方的に鶏・家畜の生産者に押し付けている――と反対している。
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