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宮崎県のブロイラー種鶏場でAI(H5N1)発生 16日に防疫措置完了 2007.01.25発行 1月11日に宮崎県宮崎郡清武町のブロイラー種鶏場(約1万2000羽飼養)で高病原性鳥インフルエンザ(AI)の発生が疑われた問題は、16日には強毒のH5N1型ウイルスであることが確認された。同ウイルスによる発生は平成16年(2004年)以来となる。感染経路は現段階では不明であるが、仮に韓国や中国から飛来した渡り鳥などに由来するものだとすれば、ウイルスは宮崎県の一地域にのみ存在していたのではなく、日本の広範囲に広がり、たまたま侵入の条件が合った養鶏場で発生したと考えるのが妥当。それだけに、いつでも、どこでも発生の可能性があるため、ウイルスを鶏舎に侵入させないためのバイオセキュリティ、特に防鳥ネットや消毒などを徹底して警戒することが求められている。 H5N1型の高病原性鳥インフルエンザ(AI)の発生が確認された宮崎県・清武町のブロイラー種鶏場は、1棟約4000羽の開放鶏舎3棟で、約1万2000羽をオールイン・オールアウトで飼育する農場。発生時は24週齢で、真ん中の1棟の鶏が1月10〜11日の2日間で約750羽死亡したため、獣医師が家畜保健衛生所に届け出た。他の2棟の鶏に異常はなく、一部産卵していた卵も孵化場に出荷していなかったため、孵化場など他への影響はなかった。 宮崎県は、11日に獣医師からAIの発生が疑われるとの通報を受けた段階で素早く対応し、発生農場の消毒などを行なうとともに、半径10キロメートル圏内の養鶏場に卵や鶏の移動自粛を求めたほか、異常の有無を問い合わせた。 H5型が確認された13日には防疫指針に基づき半径10キロメートル圏内の養鶏場(ブロイラー種鶏場4、ブロイラー農場7、採卵養鶏場5の16農場、現在の飼養羽数は約19万4000羽)の卵や鶏の移動を禁止し、3か所の消毒ポイントで飼料運搬車などの消毒を始めた。 14日には発生農場の消毒と残った約8100羽を処分し、15日には10日以降に死んだ約3900羽とともに宮崎市内の廃棄物処理施設で焼却。16日には鶏舎内の鶏糞の処分(発酵処理へ)と農場全体の再消毒を行なって防疫措置を完了した。 十七日からは移動制限区域内の16の養鶏場の異常の有無を確認しているが、新たな発生は確認されていない。今後ウイルス検査を2回実施し、3週間(21日間)新たな発生がなければ移動制限が解除される。最短の場合、2月7日に終息宣言が出されるが、関係者も感染が拡大しないことを祈っている。 農林水産省も11日には鳥インフルエンザ対策本部の幹事会を開いて対策を決め、12日には各県に家きん飼養者への緊急立ち入り調査の実施などを要請した。 16日に発表された全国の1000羽以上の養鶏場8200か所の中間報告では、異常は報告されていない。同省は、終息宣言が出るまでは、毎週1回の異常鶏報告を義務づけることにした。 日本一の採卵養鶏県の茨城県で弱毒タイプのH5N2型が発生した一昨年は、業界から県内の実態を早く確認すべきと提言していたにもかかわらず、当面の防疫対応に追われて原因究明が後手に回り結局、いつ、どこで、どのように感染が始まったかも全く分からなかった。今回は、H5型が確認された段階で感染経路究明チームを立ち上げて現地入りさせるなど、素早い対応が取られているといえる。 【高病原性鳥インフルエンザが発生した宮崎県清武町のブロイラー種鶏場の鶏舎内部(1月11日撮影、宮崎県提供)】
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