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駐車監視員制度から1か月 厳しい取り締まりに悲鳴 2006.07.15発行 駐車違反の取り締まりが民間委託された「駐車監視員制度」が始まって、1か月余りが経過した。違法駐車の減少や渋滞の緩和などの効果が表れている一方で、外食店などに鶏卵や鶏肉を配達する業者らは「取り締まりが厳しい」と頭を痛めており、対応策に苦慮している。 警察庁によると、駐車監視員制度がスタートした6月中に、全国で放置車両確認標章(ステッカー)を取り付けた件数は15万4125件(このうち駐車監視員によるものは4万8681件)、1日当たりでは約5138件となり、昨年平均の約5700件を下回った。 渋滞の長さも、東京都内の主要路線(10路線、32.1km)で前年より29.4%減少するなど、一定の効果が表れている。 しかし、外食店などに鶏卵を配達している首都圏の鶏卵問屋は、取り締まりの厳しさに悲鳴を上げており、全国たまご商業協同組合と(社)東京都卵業協会、東京鶏卵事業協同組合の3団体は、6月27日に警視庁を訪れ、配達許可車両証の発行や配達区域限定許可、配達時間帯限定などの配慮を要請した。 3団体は、(1)鶏卵は和洋中のいずれの料理にも欠かせない食材で、外食業は道路沿いだけでなく、ビルの地下や階上まで存在しており、配達するだけで10〜15分かかるケースが多々ある(2)鶏卵は通常の生鮮食品とは異なり、殻が付いているため、離れた駐車場から台車で運ぶと卵殻にヒビが入ったり割れるおそれがあり、衛生面からも望ましくない(3)鶏卵は薄利多売商品で、駐車料金などの経費増は経営破たんにつながる(4)配達員の高齢化――などの理由を挙げて配慮を求めた。 一方、警視庁は、(1)特例は郵便車と介護救援車だけで、郵便車については今後、民営化を前にどうするかを検討する。介護救援車は時間や場所など、事細かな申請に基づいて許可している(2)各種業界からも陳情があるため、それらをすべて認めると駐車違反取り締まりの意味がなくなる(3)高層階への配達や、高齢者に対する特別許可は与えていない(4)取り締まりの重点地区や時間帯などの情報をよくつかんで配達してほしいD納得できる内容であれば、特例を認めることがある(どうしても20〜30分以上の時間を要する場合は、所轄警察署に届け出れば許可が下りる場合がある)――などと回答し、基本的には企業努力(駐車場に入れる、補助員を付ける、納入先に駐車しているところまで取りに来てもらうなど)で対応してほしい、との姿勢を崩さなかった。 駐車監視員制度での物流関係車両の取り扱いについて警察庁は、「5分以内の荷捌き駐車は合法」としているが、「運転者が車両を離れない場合」との条件があるため、大手飲料メーカーなどは運転手のほかに、補助員を配送車両に乗せて対応している。ただ、中小企業の多い鶏卵問屋の場合、その経費を納入価格に転嫁するとなると、難しい。 警察庁は「物流関係事業者からの要望を反映し、公表された重点場所・時間帯を中心にメリハリをつけた取り締まりを推進する」としているが、配達業者からは「幹線道路での違法駐車が少なくなったためか、細い路地での取り締まりも強化されている」「重点時間帯よりも早く取り締まりを始めている」などの不満の声も聞かれる。 (社)東京都卵業協会の辻本勲男会長は「駐車監視員制度がスタートした六月は、鶏卵の消費がガクっと落ちた。個人的には、橋本内閣の時に消費税が3%から5%に上がった状況と、よく似ているような気がする。 監視員が放置車両を見つけてからステッカーを貼るまでに、最初は十分であったが、現在は平均八分で、早い人は二分で行なっているとのこと。警察は『企業努力で対応してください』と言うが、対応できるのは大手だけで、ギリギリのところで経営している我々にとっては、非常に酷な制度である。 7月6日の理事会では、他の食肉団体も行なっているように、“配達中です、すぐに戻りますからご容赦ください”などと書いたステッカーを作ってはどうか、との一方で、『効果はあるのか』との意見も出て、作成するかどうか、迷っている。 我々と同じような業務を行なっている郵便車は除外されていて、非常に不公平である。額に汗して一生懸命働いている人が、厳しい取り締まりを受けており、このままでは零細企業の人の行き場がなくなる。何とかセーフティネットを作ってほしい」と訴えている。
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