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AIワクチンの有効性など 日本獣医学会で発表

2006.04.05発行
 日本獣医師会と日本獣医学会の連携大会が3月18日から21日まで、茨城県つくば市のつくば国際会議場で開かれ、鳥インフルエンザ(AI)ワクチンについての発表が注目された。
 国産のAI不活化ワクチンについては、北海道大学と国内メーカーが平成16年度からの3か年計画で、H5N1とH7N7の2つのウイルスをシード株として共同開発を進めている。北海道大学の迫田義博助教授は、これまでのワクチン開発と試験結果について報告し、H5ワクチンを接種した鶏に、山口で見つかった山口株ウイルス(H5N1)で攻撃したところ、無接種区の鶏は2週間以内にすべて死亡したが、ワクチン接種区の鶏は死亡せず、接種から半年後も十分な抗体量を持っていた――などとした。
 すでに輸入承認を受けている海外のワクチンでは、米国のバイオミューン社製の不活化ワクチン「レイヤーミューンAIV」について、(1)接種後のHI抗体価は、1回接種でも、接種3週後にはすべての鶏が640倍以上の値を示し、接種時の日齢による抗体産生性に差は認められなかった(2)1回接種と2回接種の安全試験では、対象群と比較して一般状態は正常に経過した(3)野外臨床試験では、若齢や廃鶏前の鶏群に関係なく、室内試験と同じような有効性(抗体産生性)が認められ、安全性にも問題のないことが確認された――ことが、ポスター展示で発表された。
 さらに、イタリアOIEリファレンスラボでカプア博士らが実施した「レイヤーミューンAIV」の試験結果についても、(1)試験期間中、ワクチン接種鶏はいかなる臨床症状も示さず経過した(2)ワクチン接種鶏のHI抗体価の推移は、試験期間中上昇を続けていることが明らかとなり、ワクチン株を抗原として使ったHI試験では、HI抗体価は早く上昇し、攻撃株を抗原とした場合は遅く上昇していることが明らかとなった(3)2回接種してからの攻撃後、HI抗体価の推移を比較すると、どの抗原を使用した場合でも同様に推移することが明らかとなった(4)攻撃直後のPCR検査結果は、攻撃ウイルスそのものが排出されたため、陽性を示したものと推察された(5)ウイルスの検出量は1EID50未満であった――と報告された。
 これらの結果について、輸入元の(株)シーエーエフラボラトリーズ(広島県福山市神辺町道上1257−1)の大田博昭所長は、「レイヤーミューンAIVは、接種した鶏群に山口株を10の6乗で攻撃しても、ウイルスを排せつせず、また、臨床症状を示すこともない、すぐれたワクチンであることが明らかになった」としている。



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