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殺処分の方針変更を批判、緊急の防止策を要望 日鶏協・緊急会議 2005.09.05発行 「ウインドレス鶏舎は野鳥との接触を防ぐのには有効であるが、ウイルスを拡散する可能性が低い、とする家きん疾病小委員会や農水省の理屈はおかしい」――。(社)日本養鶏協会(梅原宏保会長)は8月26日、鳥インフルエンザ問題に関する各県養鶏協会・中央団体会員打ち合わせ会議を東京で開いた。各県からはウインドレス鶏舎に特例を認めた農水省の唐突な方針変換に強い批判が出され、感染拡大防止のための緊急決議を行ない、31日に農水省に要望した。 農水省はこれまで、弱毒タイプのものでも、抗体陽性を示した鶏はすべて殺処分してきた。ところが8月22日に、大規模養鶏場での発生確認を受けて、『防疫指針』の解釈・運用によって「開放鶏舎はウイルスを拡散するリスクが高いが、機密性の高いウインドレス鶏舎は、基本的な衛生管理が適切に行なわれておれば、外部にウイルスを拡散する可能性が低い」とし、ウインドレス鶏舎に限って、例外扱いで殺処分しないことにした。しかも殺処分は、ウイルスが分離された鶏舎単位で行ない、抗体陽性鶏をアウト(最終的に殺処分するか、処理場での処理を認めるかは今後検討)した後の鶏舎には、ひなの導入も認める、とした。 これについて全国の養鶏関係者から「ウインドレス鶏舎は野鳥との接触を断つには有効だが、いったん病気に感染すると、強制的に換気しているため、ホコリと一緒に外部にウイルスを排出する。その意味では、ウインドレス鶏舎は大丈夫で、開放鶏舎は危ない、という理屈はおかしく、世界でも通用しないのではないか」などと、批判や怒りの声が続出している。 26日の日本養鶏協会の緊急会議は、農水省の方針変更前の8月6日に、弱毒タイプの問題点などを協議するために計画されたもので、「豹変した農水省の姿勢を正していくためには、要望ではなく、抗議が必要」「場合によっては国会に鶏を持っていかなければならない」など、強い意見が相次いだ。 あいさつした梅原会長は「これまで我々は、不十分なサーベイランスと、殺処分のみに頼る現在の防疫指針では、仮に養鶏密集地帯で発生すると感染の拡大を防ぐことはできない、と繰り返し指摘してきたが、現実はその通りに推移している」とし、24日午前の家畜衛生部会と当日夕方に、農水省に改めて現実を踏まえた防疫対策の実施を要請したことなどを紹介したうえで、「中央だけで動いても解決できない状況になった。中央、地方が心を一つにして対応しなければ養鶏業界は壊滅に追い込まれる。みんなが共通認識を持って運動してほしい」と強調した。 茨城県の現状や生産者団体の主張について説明した島田英幸専務理事は、伝染病に対する防疫の3原則は、感染源対策、感染経路対策、感受性動物対策である。現在の防疫指針は殺処分の感染源対策や、消毒・バイオセキュリティの感染経路対策のみで、感受性動物対策としてのワクチンの予防的使用は否定している。生産者団体としては、ワクチンを使えばすべて解決すると言っているのではなく、ワクチンを含む総合的な防疫対策を取らないと手遅れになると主張している――とした。 鳥インフルエンザワクチンの最新情勢について説明した(株)シーエーエフラボラトリーズの大田博昭所長は、農水省のワクチンを接種しない方がよいとの認識はおかしく、鳥インフルエンザワクチンも他のワクチンと同じように有効である、と強調するとともに、農水省のウインドレス鶏舎の鶏は殺処分しないとの方針転換は、現場を知る者としては全く理解できない――などとした。 会議では、各県知事に防疫対策を要望することを決めるとともに、農水省に政策転換を求める緊急決議を行なった。 とする」ことにしたもの。 その理論的裏付けとしては、八月二十二日の記者会見で、@開放鶏舎はウイルスを拡散するリスクが高いが、機密性の高いウインドレス鶏舎は、基本的な衛生管理も適切に行なわれておれば、外部にウイルスを拡散する可能性が低いA病気に感染した鶏(生き物)は、一定の時間を経て、生体反応が出て免疫ができる。感染して抗体が上昇すればその後、個体からウイルスはなくなるので、定期的な検査が行なわれれば、ウイルスを分離でき、見つかれば殺処分するが、見つからない場合は、ウイルスはいない可能性がある――などを挙げていた。 しかも、ウイルスが分離された鶏舎単位の殺処分で、抗体陽性鶏をアウト(最終的に殺処分とするか、処理場での処理を認めるかは今後検討)した後の鶏舎には、ひなの導入を認める、としている。 これについては、「大手のウインドレス鶏舎は大丈夫で、開放鶏舎は危ない、というのはおかしい」との批判や怒りの声が各地から出ている。 二十六日の日本養鶏協会の緊急会議は、農水省の方針変更前の八月六日段階で計画され、「弱毒タイプの鳥インフルエンザの頻発に対し、問題解決のために、生産者がどのように行動していくかを協議する」ことを目的としていたが、会議では、「豹変した農水省の姿勢を正していくためには、要望ではなく、抗議が必要」「場合によっては国会に鶏を持っていかなければならない」などの強い意見が出された。
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