2月の外食、スーパーの動向

外食は業態により落差 日本フードサービス協

(一社)日本フードサービス協会は3月25日、2月の外食市場動向調査(新規店を含む全店ベース)の結果を公表した。今年はうるう年で休日数が増えたこと、テイクアウトや宅配、ドライブスルーなどの対応店舗が業績を上げたこともあり、総売上高は前年同月比4.8%増、客数は1.8%増、客単価は2.9%増となった。

業態別の売上高は、持ち帰り需要を獲得したファストフードが9.8%増、ファミリーレストランが2.0%増。両業態のうち、特に需要を取り込んだのがハンバーガーチェーンなどの洋風ファストフード(14.0%増)、牛丼各社を含む和風ファストフード(8.6%増)、メディアへの露出やキャンペーンが多かった焼き肉(24.4%増)。

その一方で、パブ・ビアホールは9.6%減、居酒屋は4.8%減、ディナーレストランは2.6%減、喫茶は1.1%減と明暗が大きく分かれている。同協会は居酒屋とディナーレストランの苦境について「インバウンドや宴会需要の減少から、2月後半、特に政府から大規模イベントなどの自粛要請が行なわれた最終週以降は客足が減少し、売り上げへの打撃が目立った。3月にはディナーレストランへのさらなる打撃が予想される」との現状を伝えている。

新型コロナで異例の報告

同協会は2月の調査結果公表と同時に、『新型コロナウイルス発生以降の売り上げ概況』(3月25日時点)を報告した。

報告によると、2月後半以降の外食の状況は大きく落ち込み、2月末からは『極めて深刻な状況』に入っている。直近では居酒屋、ディナーレストラン、ファミリーレストランなどは売り上げが5割以上落ち込むチェーンがあり、休業や営業時間短縮を余儀なくされている店舗も多いという。特に深刻な状況の地域、施設などは次の通り。

▽北海道=地域的には北海道が特に厳しく、来客数と売上高が大幅に減少。事業縮小と休業店舗が続出し、チェーンによっては①全店舗の3分の2が休業に追い込まれている②札幌市内の売り上げが7割減少――との状況。

▽大型商業施設=ショッピングセンターなどの商業施設で来店客数が減少。フードコートを含むテナント店舗の売り上げが大きく減少。

▽インバウンド需要=2月から中国人観光客(外国人観光客の約3割を占める)のインバウンド需要がなくなり、外食店舗は売り上げが大きく落ち込んでいる。

▽宴会需要=3~4月は歓送迎会シーズンだがキャンセルが相次ぎ、予約が入らない状況。

大手スーパーは食品販売が好調 チェーンストア協

量販店55社・1万548店舗が加盟する日本チェーンストア協会は、全国大手スーパーの2月の売上高を公表した。

総販売額は前年同月比4.1%増(既存店ベース)の9376億2117万円で、4か月連続の前年割れから脱した。

食料品の売上高は5.8%増の6506億7844万円、うち畜産品は7.1%増の770億6377万円。鶏肉や豚肉、牛肉が好調で、ハム・ソーセージと鶏卵の動きも良かった。

その他の食品では米や即席米飯、即席めん、冷凍食品、乳酸菌飲料などが好調。総菜と弁当の動きも良く、巣ごもり需要の伸長がうかがえる結果となっている。

内食需要の受け皿に 食品スーパー3団体

(一社)全国スーパーマーケット協会、(一社)日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会の『食品スーパー3団体』は、合計270社・8017店舗の2月の販売実績を公表した。

総売上高は前年同月比5.5%増(既存店ベース)の8718億5852万円。食品合計の売上高は5.3%増の7908億1627万円で、このうち畜産品は6.9%増の1035億3412万円、卵や乳製品などの日配品は6.2%増の1712億960万円、総菜は5.8%増の911億1418万円。

3団体は増収要因について、新型コロナウイルスの影響による在宅時間の増加や、うるう年であったことを指摘。各店舗が内食需要の受け皿になっているとし「買い置き需要が高まっているが、先行きは依然として不安。影響の長期化が予想される中、安定した商品供給だけでなく、非常時の消費者ニーズに応える取り組みも期待したい」としている。

食品は好調だがサービスは苦戦 コンビニ各社

コンビニエンスストア7社(5万5460店舗)で組織する(一社)日本フランチャイズチェーン協会は2月の売上高(既存店ベース)について、前年同月比2.6%増の8026億8200万円で、2か月連続で前年を上回ったと報告した。

マスクやトイレットペーパー、パン、総菜、冷凍食品などの需要が高まり、来客数は2.3%増の12億5706万1000人、平均客単価は0.3%増の638.5円。

部門別の売上高では、弁当や卵、加工肉などの日配食品が3.6%増、菓子や飲料などの加工食品が3.8増、非食品が3.6%増。ただ各種チケットや乗車券、宿泊券、宅配便などを含むサービス部門は12.2%減と大きく下落している。