鶏肉相場は高水準続く

新型コロナウイルス感染症の影響による内食需要の高まりから、国産鶏肉の需要が伸び、10月の鶏肉相場(日経東京・正肉加重)の月間平均は、もも正肉が前年同月比75円高の631円、むね正肉が同38円高の292円と高水準が続いている。

GoToトラベルやGoToイートなどで業務(外食)、加工需要の一部に回復はみられるものの、全体としてはまだ減少傾向が続き、業務・加工向けが多い輸入鶏肉は7月以降、輸入量が減少し、日本食肉輸出入協会の鶏肉輸入動向検討委員会の報告では、11月も前年比89.3%の4万3600トンの見込み。

同会では「国産むね肉の代替需要が一部見受けられるものの、新型コロナウイルスの影響により外食需要が回復していないことから輸入鶏肉は引き続き厳しい状況。ブラジルでのオファー価格は最近になって多少上げてきているが、輸入鶏肉の国内在庫が相当量存在しているため、輸入鶏肉の国内価格も当面上昇する気配はない」としている。

(独)農畜産業振興機構の鶏肉の需給予測では、11月の国内生産量は前年同月を1.3%下回る14万1200トン、輸入量は同10.7減の4万3600トン、出回り量は同2.6%減の18万7800トンで、期末在庫は同1.1%減の16万4400トンとしている。

11月から年末にかけては鍋物などの需要がさらに高まることを受けて、相場も強含みの推移が予想されるものの、量販店などがどの段階で前年水準を上回っている輸入物在庫を取り扱うかが懸念材料になるとみられる。