通常総会と研修会開く 群馬県種鶏孵卵協会

鶏種別経済能力検定成績 各鶏種の特徴などを分析

〝群馬テスト〟として世界でも認められている鶏種別能力検定試験の結果を発表した群馬県種鶏孵卵協会の研修会

群馬県種鶏孵卵協会(会長=井上智司㈱カントウ会長)は10月7日、渋川市伊香保町の福一で第49回通常総会と研修会を開き、通常総会では平成31年度事業報告・決算、令和2年度事業計画・予算などを原案通り承認した。

令和2年度の事業計画では、①会議(総会、理事会)②養鶏振興対策(陳情、請願活動など)③種鶏に関する事業(鶏種別能力検定試験、種鶏・種卵の衛生対策)④孵化に関する事業(孵化計画の設定、孵化に関する調査研究)⑤初生ひなに関する事業(初生ひなの出荷羽数調査、初生ひなの需給調整)⑥鑑別に関する事業(鑑別師の適正配置のための調整と養成・あっ旋、鑑別料金の検討など)⑦研修に関する事業(鶏種別能力検定試験中間検討会、研修会の開催・参加)――などの実施を予定している。

研修会は服部豊士副会長の開会のことばで始まり、あいさつした井上智司会長は「この1年を振り返ると、ここ数年の鶏卵生産量の大幅な増加による低卵価や、九州・中四国・関東での大きな自然災害もあり、とても厳しい年だったと思う。コレステロール問題の解消やコンビニなどでの需要増、訪日観光客の増加などにより鶏卵消費量は増加傾向の中で、卵価も堅調に推移していたが、一方でひなえ付け羽数が大幅に増加し、平成29年から鶏卵生産量が260万トン以上となり、需要と供給のバランスが崩れて厳しい卵価になった。今年1~9月累計のM基準値の平均は158円で、ここ10年で一番安くなっている。ひなえ付け羽数は低卵価を反映し、今年1~7月累計では前年比5%ほど減少しているため、来年は卵価の回復が多少見込めるのではないかと期待している。

今年は西日本で豪雨による水害、関東では千葉県を中心に台風15号による被害が出た。被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げる。最近は毎年のように大きな自然災害が発生しているため、今後は予想を超える災害を想定して十分な対策を取ることが必要ではないかと思う。

養鶏を取り巻く環境がますます厳しくなる中でより緻密な経営をしていかなければなけない。群馬県畜産試験場では毎年、鶏種別能力検定試験を実施しており、この総会に合わせて後藤先生に結果を発表していただいている。今回は11銘柄で試験しており、貴重な資料として養鶏経営に活用してほしい」などと述べた。来賓を代表して群馬県農政部畜産課畜産振興係の大海さつき主幹があいさつした。

研修会では、群馬県畜産試験場養鶏係の後藤美津夫係長が平成30年度の鶏種別経済能力検定成績(第55回)を報告した。30年度の対象鶏種は、白玉鶏がジュリア、ジュリアライト、ハイラインマリア、バブコックB400、ボバンスホワイト。ピンク卵鶏がハイラインソニア、さくら。赤玉鶏がボリスブラウン、シェーバーブラウン、ノボブラウン、もみじ(合計11銘柄)。

試験場で孵化した各鶏種のひな100羽(25羽×4反復)を、陽圧換気方式のウインドレス育雛舎と成鶏舎で、各鶏種のマニュアルに基づいて飼養管理を行ない、育成用と成鶏用の飼料には国産飼料用玄米を使用した。

孵化成績は受精率と孵化率、めす率。育成成績(平成30年4月4日~7月31日、1~119日齢)は育成率と飼料摂取量、体重。産卵期の成績(30年8月1日~令和元年8月20日、120~504日齢)は生存率と体重、50%産卵到達、産卵率、平均卵重、日産卵量、産卵個数、飼料摂取量、飼料要求率、ハウユニット、卵殻厚・強度、卵白屈折率、規格卵分布、卵形、卵殻色、卵黄色、肉斑。経済性については重量取引と個数取引(LL-MS1個当たり10円)により試算した。

(詳しくは本紙をお読みください)

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