販売価格に転嫁できない企業6割 生活衛生関係営業の景気動向等調査

㈱日本政策金融公庫は12月7日に「生活衛生関係営業の景気動向等調査」特別調査結果(2018年7~9月期)を公表した。調査は18年9月上旬に郵送で行ない、生活衛生関係営業3290企業のうち3092企業(94.0%)から回答を得た(このうち食肉・食鳥肉販売業は157企業)。

仕入価格が「上昇した」と回答した企業は56.2%で、2期連続で前年同期を上回った。業種別では飲食業、ホテル・旅館業、クリーニング業、食肉・食鳥肉販売業が全体を上回った。この4業種の過去5年間の推移をみると、飲食業、クリーニング業が2期連続で上昇している。今後1年間の仕入価格が「上昇する」と回答した企業は53.9%となっている。

仕入価格上昇の背景は「天災・天候不順」「原油価格の上昇」「原材料等の生産量の不足」の順に高い。仕入価格の上昇が経営悪化に「影響がある」(「かなり影響がある」「ある程度影響がある」の合計)と回答した企業は83.9%で、前年同期を3.1ポイント上回った。業種別にみると公衆浴場業(92.9%)、ホテル・旅館業(88.9%)、食肉・食鳥肉販売業(86.8%)の順に高い。

仕入価格上昇への対策は「諸経費(人件費、光熱費など)の削減」「原材料などのコスト管理の徹底(廃棄ロスの削減など)」「仕入先の変更」の順に高い。効果的だった対策は「諸経費(人件費、光熱費など)の削減」「仕入先の変更」「原材料などのコスト管理の徹底(廃棄ロスの削減など)」の順に高い。

仕入価格上昇分を販売価格に「全く転嫁できていない」と回答した企業は57.2%で、全体の約6割を占めた。業種別にみると公衆浴場業、クリーニング業、ホテル・旅館業の順に高い。

販売価格を「引き上げた」と回答した企業は17.3%で、2期連続で前年同期を上回った。業種別にみると食肉・食鳥肉販売業、氷雪販売業、ホテル・旅館業、飲食業、クリーニング業が全体を上回った。