生菌剤活用テーマに研修会 東亜薬品工業

APGの代替や作用機序、暑熱対策に関する最新の知見のほか、CSFとASFの動向なども学んだ

東亜薬品工業㈱(増田智英社長)は11月15日、東京都江東区の東京コンファレンスセンター有明で「第15回東亜畜産研修会」を開き、動物薬卸の営業担当者を中心に約80人が出席した。

研修会の冒頭、増田社長は多数の出席者と関係者に謝意を表したうえで、CSF(豚コレラ)やASF(アフリカ豚コレラ)の広がりに触れ、「中国ではASFにより、非常に大きな被害が出ていると聞いている。この業界に入って20年ほどになるが、1年たりとも安寧な年がなく、自然災害や疾病などに業界関係者が一致団結して対応し、なんとか乗り切ってきた感がある。ただ、今回のCSFも、このような取り組みで、乗り切っていけるのではないか。少子高齢化に伴い、農場での人手不足も大きな課題となっているが、人工知能やスマート農業の導入によって、さらに進んだ業界になれるものと考えている。

一方、世界人口は増加傾向にあり、約6割がアジアに集中し、アフリカなどでも人口増が進む中、食糧問題を真剣に考えていかなければならない。この問題と畜産は切っても切れないため、メーカーとしても真剣に取り組んでいかなければならない情勢となっている。

薬剤耐性(AMR)についても、世界的な動きを実感している。欧米の大手企業からも、プロバイオティクスへの引き合いが非常に来ており、過去とは違う対応が求められている。養鶏・水産用のバチルス・アミロリキファシエンス(BA菌、商品名イムノリッチ)は、米国のフィブロ(Phibro)社で取り扱われることになった。我々も知識を高めながら、対応していきたい。プロバイオティクスの特性やDNAに関しては近年、かなり解明されてきている。本セミナーでは先生方の講演を通じて、しっかり理解していただけるよう、皆様によろしくお願いしたい」と述べた。

酪農学園大学獣医学群獣医生理学ユニットの林英明准教授が「養牛における生菌剤の活用~ストレス軽減効果~」、東北大学大学院農学研究科応用生命科学専攻動物栄養生化学分野の喜久里基准教授が「ブロイラー生産に関する最新科学と温故知新―暑熱ストレスから生菌剤まで―」、宮崎大学産業動物防疫リサーチセンターの末吉益雄副センター長が「養豚における最新情報とプロバイオティクスの活用」について講演した。

意見交換ののち、東亜薬品工業開発本部動薬学術部の庄司絢子氏が、同社の生菌製剤「ビオスリー」などの牛、豚、鶏での投与試験結果について情報提供した。

(詳しくは本紙をお読みください)