東京食鳥組合が鳥供養祭 上野寛永寺弁天堂内で

第1回の鳥供養では鳥塚碑の前で鳩を放し、一般の来園者も参加したことなども振り返り、今後もしっかり継続していかなければならないとの声が聞かれた

東京都食鳥肉販売業生活衛生同業組合(鈴木章夫理事長)は4月13日、鳥塚碑のある東京・上野寛永寺の不忍池弁天堂内で56回目の鳥供養祭を行なった。

今年は、寛永寺導師、式衆の入堂後、祭典副委員長の石坂直明副理事長(㈲信濃屋)の司会で進め、祭典委員長の鈴木章夫理事長(㈱鳥藤)のあいさつに次いで、実行委員の鈴木健治理事((資)大金鳥店)が祭文を奉読。導師、式衆による読経の中、鈴木理事長と、実行委員長の岩崎政吉常務理事(鳥政商店)の代表者焼香に次いで出席者全員が焼香し、諸鳥類の霊に感謝して供養した。

近年は供養祭のさなかに、国内外から訪れた多くの観光客が、祭典のもようを興味深そうに見る姿も目立つようになったが、読経後の寛永寺導師の講話では、先人の話として、かつては碑の前で桜が咲く頃に供養祭を実施し、一般の来園者もともに焼香し、懇親する姿がみられたことなども紹介された。

弁天堂庫裏で行なわれた懇親会は、江村光良副理事長(㈲宮川商店)の司会で進め、鈴木理事長は、出席者の協力により供養祭が滞りなく進められたことに謝意を示した上で、食鳥肉専門店の直近の課題について「消費税率改定に伴い、軽減税率の実施が迫っている。必要な店舗ではレジスターを替えたり、レシートや経理、税務も分けて管理したりする必要がある。本当に大変な作業だが、よく分かっていない人もまだ多いため、豊洲市場でも多数の講習会が開かれている。このようなことに経費が必要になるため、余暇などに回るお金が少なくなり、ますます景気が悪くなるような時代になりつつある。飲食店は本当に大変な事業環境にあり、豊洲の店舗などは一般消費者の魚離れもあって、ますます厳しくなっている。鶏肉については、消費者の健康ブームもあって消費は増えていると言われるが、卸売りについては大手が大量に納めている先が多く、卸売業者も乱立している状況で、食鳥肉専門店は売り先に苦労する状況が続いている。そのような環境では、(小売りや総菜販売など)様々な形で様々な商売に取り組みながら、業界と皆さんの専門店が発展するよう、よろしくお願いする」とあいさつ。

多数の来賓を代表して、(一社)日本食鳥協会の佐藤実会長と、(一社)東京都食品衛生協会の武田秀敏常務理事が祝辞を述べた。

戸田勝彦副理事長(宮川食鳥鶏卵㈱)は乾杯の発声で、第1回の鳥供養祭について「私は学生の頃に、祖父と一緒に1回目の鳥供養祭に出席し、鳥塚碑の前で鳩を放って、盛大に実施したことを覚えている。現在は4月の第二土曜日だが、当時は8日と決まっていて、桜が満開で大変賑やかだった」と振り返った。終始なごやかに歓談し、江村副理事長の中締めでお開きとなった。