日本ハムグループがリモートでWEB展示会 「ウィズコロナ時代の価値観を視る」

作りたてのようにおいしい「あじわいレンジ バターチキンカレー」

玉ねぎがあればすぐできる「中華名菜 鶏から揚げ甘酢炒め」

日本ハム㈱(本社・大阪市)は2月10日、オンライン形式で『2021年春夏新商品発表会』を開いた。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、例年1月に開催している展示会が中止となったことから、ニッポンハムグループの事業内容や新商品情報を掲載しているウェブサイト「マーケティングコミュニティ」を活用して『2021日本ハムグループWEB展示会』を実施し、営業担当が得意先へリモート商談を行なう。

展示会のテーマは、昨年に続き〝食の未来 ともに創る〟。ウェブサイト内には500コンテンツ、33ブースを備え、新商品(コンシューマ72品、業務用28品)やリニューアル品、メニューなどを提案している。得意先へのプレゼンテーション実施は、昨年11月末から数えて200社を超えており、3月末まで続けていくとのこと。

今年の「フードスタイルラボ(FOOD STYLE LABO 2021)」では3つのテーマに即した9つの食卓(テーマ1「健康を意識してカラダを整える!」=健康を意識したたんぱく質多めの夕食、免疫力向上を意識した夕食、健康とスピードを両立させた朝食。テーマ2「おうち食卓の充実!」=在宅勤務時に調理時間が短く簡単の済ませる昼食、素材から自炊でまかなう夕食、プチ贅沢を楽しむ自宅での食卓、夫が準備する休日の夕食、テイクアウトやデリバリーした料理を自宅で食べる夕食。テーマ3「まとめ買い食材で賢く、安心!」=ストック食品をアレンジした料理でまかなう夕食)を、アフターコロナにおける可能性と継続性、求められる価値観という観点で、これらに紐づけた商品も紹介している。

加工事業本部の新商品のうち、デリ商品では、フレッシュ加熱製法によって常温商品でも作りたてのようなおいしさを実現した『あじわいレンジ』ブランドを新たに立ち上げ、6品(肉じゃが、すき焼き、牛バラ大根、ビーフシチュー、ハンバーグステーキ、バターチキンカレー)をラインアップ。

野菜1品を加えるだけで中華料理ができる『中華名菜』ブランドでは、キャベツがあればすぐにできる「広東風麻婆春雨」と、玉ねぎがあればすぐにできる「鶏から揚げ甘酢炒め」をラインアップに加えた。

このほか常温商品として、直火で炙った香ばしい鶏肉入りの「炙り鶏親子丼の具」、家飲みにぴったりの食べ切りサイズでストックに便利な「チキチキボーン鶏かわチップス」などを発売する。

グループの日本ハム冷凍食品㈱は、テレワーク向け食品・メニューとして、ご飯があればすぐにできる「ふわとろ卵のかつ丼の具」と「ふわとろ卵の親子丼の具」、軽食やおつまみに最適な「チキチキボーン味の骨なしフライドチキン」などを新発売する。

食肉事業本部では、コロナ禍で家庭での調理機会が増える中で、手頃な価格の鶏肉、豚肉の需要が大きく伸張していることから、強固なインテグレーションを生かした全国ブランドの国産鶏肉『桜姫』と国産豚肉『麦小町』のさらなる拡販を目指す。

ユーザビリティの強化では、食肉でも保存のしやすさや使い勝手の良さが求められ、スーパー・量販店ではそのまま店に並べられる形態への引き合いが多いことから、バラ凍結した500グラムパックの『タイ産ハーブ爽育鶏』(抗生物質フリー)や、1枚ずつ凍結・パックした『タイ産ハーブ爽育鴨』(同)などを販売する。

説明会で上映された畑佳秀社長、井川伸久加工事業本部長(代表取締役専務執行役員)、木藤哲大食肉事業本部長(同)によるビデオメッセージの概要は次の通り。

畑佳秀社長

今回はニッポンハムグループの様々な取り組みや新商品の提案の数々を、リモートプレゼンシステムを活用してお届けする。新商品の開発は、著しい変化をみせる人々の新しい行動様式や、お客様志向と結びつけることが何よりも重要と考えている。各商品開発部門と消費者のライフスタイルを分析する部門が連動・連携し、協議を重ねて新しい提案につなげている。その分析内容や提案につながるプロセスを今年も『フードスタイルラボ』のブースで紹介する。

今回の『フードスタイルラボ』では、日本の人口構成など従来から続く様々な変化と、コロナ禍により突発的に発生した非連続的な意識や行動の変化を併せて分析し、3つのテーマを基に具体的な9つの食卓を提案している。

9つの食卓は現在だけでなく、継続性や可能性などから今後も市場性の高い食卓を抽出したものである。また、それぞれに対応する商品までを1つのストーリーとして提案する。

井川伸久加工事業本部長

今年も『フードスタイルラボ』で3つのテーマと9つの食卓を提案しているが、特に紹介したい内容は、たんぱく質の提供を切り口とした食卓の提案である。創業時より事業の柱としてきた食肉・加工肉・加工食品に加え、水産・乳製品・エキスなどの事業を含め、国内で最大規模のたんぱく質を供給する食品企業として、消費者・得意先へ価値ある商品とサービスの提供に今後も力を入れていく。

今年の具体的な提案としては、ライフスタイルの変化でニーズが高まっているストック需要に対応した常温商品の新たなラインアップや、食の多様化に対応し話題となった大豆ミート商品の拡充、CO2削減に取り組んだ新しい包材の活用など、新たなチャレンジの数々を紹介する。

また、作業効率を追求した業務用商品の紹介をはじめ、冷凍食品、乳製品、水産、チーズ、エキスなど、各グループ会社からも新商品を提案している。

木藤哲大食肉事業本部長

食肉を取り囲む環境は日々、大きく変化を続けており、気候変動の加速や疾病による生産リスクの拡大、世界人口の増大など、食の安定供給を揺るがす事案が発生している。関税などの貿易障壁は将来的には縮小する見込みも、中国などの消費大国の動向に左右され、直近では相場の変化も起こるなど、課題はたくさんある。

わが社は「将来世代の食の確保」を掲げ、様々な変化に対応すべく、日本国内、世界からの調達力を強化している。わが社が安定的した商品調達ができる理由は、国内では生産からの強固なインテグレーションを有していること、輸入では協力海外パッカーと長年培ったコミュニケーションによる連携ができていることにある。

わが社の強みであるインテグレーションを生かした差別化に取り組み、リスク回避策、新たな産地、新商品形態、既存商品の磨き上げ、消費者視点に立ったユーザビリティの追求により、付加価値の高い商品を提案していく。